河村勇輝

「この賞に恥じないように今後も全力でバスケットを頑張りたい」

Bリーグは『B.LEAGUE AWARD SHOW 2019-20』Day2を開催し、今シーズンから新設された『新人賞ベストファイブ』に、特別指定選手として三遠ネオフェニックスでプレーした河村勇輝が選出された。

河村はこの3月に福岡第一高校を卒業したばかり。高校バスケの最後をウインターカップ優勝で締めくくると、三遠に特別指定選手として加入した。Bリーグでは11試合に出場して、平均12.6得点、2.0リバウンド、3.1アシスト、1.5スティールを記録。B1での最年少出場記録および最年少得点記録を樹立した。

新人賞ベストファイブに選出された感想を、河村はこのように語った。「特別指定として短い期間だったので、こういう素晴らしい賞をもらえるとは思っていませんでした。なので驚いていますが、本当にうれしいです。この賞をいただいたからには、それに恥じないように今後も全力でバスケットを頑張りたいです」

この4月からは東海大に入学し、大学バスケのオフ期間には来シーズンも特別指定としてBリーグでプレーできる。河村も「また特別指定選手として戻ってきたい」と言うが今シーズンの経験を踏まえて、こう意気込みを語る。

「新人賞や他の賞も大事ですが今回の特別指定を経験して、やっぱりチームの勝利が自分の中で一番大事だと思いました。次の特別指定の時はもっと勝利を重ねられるように、個人的にも頑張りたいです」

「高校では40分間試合に出ていたので、ゲームコントロールも40分間を通じてできていました。ただ、プロでは自分が試合に出ている時間内でゲームコントロールをするという課題が見つかりました。試合に出ている時と出ていない時にどういう存在感を示すか、どんなゲームコントロールをして勝利に結びつけるかはガードの責任なので、チームとのコミュニケーションやバスケIQをもっと磨きたいです」

河村勇輝

「将来の夢はオリンピックや世界選手権で戦うことです」

本人が何度も「短い期間だった」と言うように、河村が出場したのは11試合のみ。それでもシーズン中は現役高校生Bリーガーとして注目を集め、三遠の会場は満員御礼が続いた。出場11試合の中で最も印象に残っている試合に挙げたのは、初先発となった新潟アルビレックスBB戦だ。河村はこの試合で、24得点3リバウンド2アシスト4スティールを記録。「勝利することはできませんでしたが、初めての先発で責任感も感じてプレッシャーもあったけど、自分的にはコンスタントに点を取ることができたので印象に残っています」と振り返る。

Bリーガーを相手に引けを取らないプレーをした河村だが、満足はしていない。「Bリーグでも通用するほどの実力はまだないです。1年を通じてコンスタントにプレーしたり、安定した結果を出すことが実力や実感に繋がると思います。短い期間で完璧にできるとは思っていませんが、それでも1試合1試合での点数やゲームコントロールやパスが成功した時はうれしかったです」

ウインターカップ優勝、そしてBリーグでも先発出場を果たすなど新たなステージでも活躍し、新人賞ベストファイブにも選出されたが、河村の目標はもっと先にある。

「将来の夢はオリンピックや世界選手権で戦うことです。そこはブラさずにこれからも努力をして頑張って夢に近づきたいです」

今は新型コロナウイルスの影響で、入学したばかりの東海大バスケ部は活動できていない。それでも目標である日本代表の指令塔を目指して、河村はこれからも努力を惜しまずバスケットに向き合い、さらに成長した姿でBリーグに戻って来るはずだ。