馬場雄大

「一瞬の状況判断がパフォーマンスに影響を与える」

Bリーグは3夜連続で『B.LEAGUE AWARD SHOW 2019-20』を開催。

『BREAK THE BORDER』賞には、アルバルク東京からNBAに挑戦した馬場雄大が選出された。

『BREAK THE BORDER』賞は『前例を笑え』、『常識を壊せ』、『限界を超えろ!』といったスローガンの下、新しい世界に挑戦、常識を覆した人物やクラブに贈られる。初年度はBリーグ発足の原動力となった川淵三郎が選出され、2年目はホームゲーム来場者数がリーグ2位、1試合最多入場者数が1位のレバンガ北海道、昨シーズンは13年ぶりのワールドカップ出場権を自力で獲得した男子日本代表チームが受賞した。

今シーズンの馬場は所属するテキサスレジェンズで41試合中5試合に先発出場し、平均19.6分、6.3得点、2.6リバウンド、1.2アシスト、1.0スティールを記録。プレータイムを与えられない期間もあったが、「試合を重ねるごとで得意なプレーができるようになり、外角のシュートも少しずつアジャストできた」と、振り返った。

Gリーグではある程度の結果を残した馬場だが、目標はあくまでもNBAの本契約を勝ち取ることだ。そのためにも「すべての技術を向上しないといけない」と馬場は言う。

「アウトサイドの確率が上がった分、ディフェンスも外の意識がついてきました。フィニッシュの強さはあるので、ドライブした時に決めきる力をつけたら監督も使いやすい選手になると思う。一瞬の状況判断がパフォーマンスに影響を与えるので、細かいところで最善の判断ができるようになりたい」

馬場雄大

「アクションを起こさないとアメリカでは生きていけない」

日本人選手が海外に挑戦する場合、言葉の壁にぶつかり円滑なコミュニケーションが取れないことがよくある。馬場も例に漏れず、「プレータイムがもらえなかった時期は意思疎通もままならなくて、バスケットも思うようにできなかった」と語った。

それでも馬場は持ち前の明るさを前面に押し出しチームに溶け込んでいった。「苦労のしっぱなしでした。自分からアクションを起こさなとアメリカでは生きていけないと思っています。日本人としての良さもあるけど、自分から発信して意思を伝えることは今まで以上に考えました。そこは一番成長できたところだと思います」

「BリーグからNBAへの道を作るのは僕でありたい」との言葉を残し、馬場はアメリカへと渡った。この『挑戦』が評価されたことで『BREAK THE BORDER』賞を受賞したが、馬場にとって現在は夢の途中であり、通過点なのだ。

「挑戦1年目としては満足がいく第一ステップを踏めました。こういう賞をもらえて光栄ですが、まだまだ夢は達成できていません。僕の進む道が子どもたちの夢になれるようにこれからも頑張りたい」