ファクンド・カンパッソ

マーベリックス、スパーズが関心を寄せるとの噂

ファクンド・カンパッソにNBA行きの可能性が浮上している。

カンパッソはレアル・マドリー所属のポイントガードで、昨年のワールドカップではアルゼンチン代表の司令塔として、チームのファイナル進出に大きく貢献した。昨年に5年契約を結んだレアル・マドリーにキャリアを捧げるものかと思われたが、ここにきてマーベリックス、スパーズが獲得を検討していると報じられている。

もっとも『Sports Illustrated』によれば、マブスの関心は決して強くはない、とのこと。

マブスはルカ・ドンチッチとクリスタプス・ポルジンギスの2枚看板に加え、ボバン・マリヤノビッチにJJ・バレアとインターナショナルプレーヤーを主力に抱えており、それ以前はダーク・ノビツキーが『チームの顔』として長く君臨したチームであり、国外の優れた選手は常にチェックしている状態。すぐに契約に動くわけではないにせよ、カンパッソがNBAでどれだけ活躍できるか関心を持っているようだ。

ネガティブな見方をすれば、29歳でのNBA初挑戦は遅いと言わざるを得ない。また、ワールドカップでのプレーを見る限り、カンパッソはチームを動かすタイプの司令塔。彼が中心とは言わないまでも、一人のエースに頼るのではなくローテーションの誰がコートに立っても高いレベルのバスケットを遂行するチームの舵取り役として光るポイントガードだ。一方で、個々のアスリート能力が問われるNBAで、179cmのカンパッソがどこまでやれるかは疑問符が付く。

2017-18シーズンには『ヨーロッパ最強ポイントガード』の触れ込みでミロシュ・テオドシッチがクリッパーズに加入した。魔法のような鮮やかなアシストを次々と記録し、その視野の広さとパスセンスで大いに注目されたものの、2シーズン目は持ち味を発揮できずにシーズン途中でヨーロッパに戻ることになった。

それでも、テオドシッチが芸術家ならカンパッソは闘士で、スタイルは真逆だ。マブスではプエルトリコ出身のJJ・バレアがまさにカンパッソに近いタイプで、体格も似ている。ただ、そのJJ・バレアは間もなく36歳で、昨シーズン途中にアキレス腱断裂の大ケガを負ってからは、これまでのようなハードワークができずにいる。いまや完全にエースとなったドンチッチの負担を減らす意味でも、レアル・マドリーでともにプレーしたカンパッソが機能すればチームには大きなメリットとなる。

そもそも、ワールドカップでのアルゼンチン代表は現役NBAプレーヤー不在のチームながら、セルビア、フランスを破ってファイナル進出を果たした。現在のNBAにおけるトッププレーヤーであるニコラ・ヨキッチやルディ・ゴベアにも一歩も引かずにアタックしたパフォーマンスをNBAのコートでも見せられれば、十分に通用すると見ることもできる。

今シーズン中断の時点で、40勝27敗で西カンファレンスの7位、プレーオフ進出をほぼ決めていたマブスだが、プレーオフで勝ち進み、チャンピオンを狙うにはさらなるチーム強化が必要だ。カンパッソはその重要なピースになり得る戦力であり、少なくとも検討には値する。