「自分がコンボガードであることは強み」を体現し、川崎ブレイブサンダースの核となった藤井祐眞

「自分がコンボガードであることは強み」を体現し、川崎ブレイブサンダースの核となった藤井祐眞

2020/05/10

藤井祐眞

川崎ブレイブサンダースは前線から激しくプレッシャーをかけ続ける守備とビッグマンも積極的に3ポイントシュートを放つ新たなスタイルで、開幕からリーグを席巻。消化不良に終わった過去2シーズンから脱却し、彼らがいるべきリーグ随一の強豪の座へと返り咲いた。その中で、新たな川崎を最も具現化し、チームのエンジンとなっていたのが藤井祐眞だ。プレータイムは微減も、ほぼすべてのスタッツを向上させ、故障者続出の川崎を救い続けた。そんなリーグ屈指のガードへと成長した藤井に話を聞いた。

「シーズン前は期待しかなかった」

──現在、自宅待機を余儀なくされている中、どのように過ごしていますか。

ずっと家にいますね。外出するのは、スーパーに行くくらいです。バスケットもたまにYouTubeを見たり、辻さんの出ている動画を見るくらいです。トレーニングも自宅の中では、いつものように長い時間はやれていないです。

──コロナ禍の影響を抜きにして、今シーズンのパフォーマンスをどう感じていますか。個人としては、スタッツでは自己ベストの数字でした。

個人的に調子は良かったですし、これまででベストだったと思います。得点、アシストと、スタッツが伸びたようにやりたいプレーはできました。また、ニック(ファジーカス)とのピック&ロールだけでなく、J(ジョーダン・ヒース)やマティアス(カルファニ)との連携も上手くいきました。マティアスは故障で途中から抜けてしまいましたが、Jとは相性も良くていいコンビになれていました。

チームとしてもケガ人が出たり、天皇杯では僕もインフルエンザにかかったりいろいろなことがあって、途中で負けが続き苦しい時期もありましたが、好成績を残せて本当によかったです。コロナを抜きにしたら、良いシーズンだったと思います。

──昨シーズン終了後、川崎はチームを大きく変えました。だからこそ、ここで結果を出さなければいけないと、いつも以上に危機感を持ってのシーズンでしたか?

そういうことは、意識していなかったですね。逆に新しいメンバー、コーチ陣が来ていろいろと新しいことに取り組んでいて、開幕が楽しみでした。自分のプレースタイルは変わっていないですが、(佐藤)賢次さんがヘッドコーチになってジェフさん(勝久ジェフリー)、健さん(穂坂健祐)がアシスタントで入ってくれてチームのコンセプトで変わったところはあります。それが自分に合っていてやりやすく、体現したいなと思うものでした。お互い代表メンバーがいない中でしたけど、アルバルク東京と戦ったプレシーズンも手応えがありました。そこに代表メンバーが加わったらどんなチームになるのか、シーズン前は期待しかなかったです。

藤井祐眞

篠山離脱で「自分がやらなければいけない気持ちが強かった」

──ファジーカス選手は「川崎がリーグトップの一つであることへの自信を取り戻せたシーズンだった」と言っていました。そういった気持ちはありますか。

もちろんそれはありますね。昨シーズンは、本当にこのままではまずいという終わり方でした。A東京、宇都宮(ブレックス)や千葉(ジェッツ)とは、確かな力の差がありました。それを今シーズンは埋めただけではなく、それぞれに勝てたというところで自信を取り戻せたと思います。

──起用法でいうと、今シーズンはシックスマンではなく、先発出場も増えました。やっぱり先発で出たいとか、起用法へのこだわりはありますか。

プレータイムも20分以上ありますし、スタメンで出たいとかは特にないです。ただ、司令塔の竜青さんと一緒に出ることもできるコンボガードであることを強みにしていきたい思いはあります。健さんが、強いチームには絶対に良いコンボガードがいて、自分がコンボガードであることは強みになると、言ってくれてからそこは意識するようになりました。

また、コンボガードは個人的に楽しいし、やりやすいです。辻(直人)さんと出ている時もそういう形にしたいですね。辻さんは2番でもシュートをめちゃくちゃ入れてくれるだけでなく、1番もできる。1番、2番のどちらでも良さを引き出せます。竜青さんの時のように、辻さんと一緒に出てコンボガードをやってみたいと思いました。

──第4クォーター終盤の勝負どころでほぼ出ていました。いち選手として、ここ一番でコートに立ちたい思いはありますか。

クラッチタイムはその試合で調子の良い選手、点数を取っている選手だったり、相手との相性を考えてヘッドコーチが選ぶもので、「絶対に出たい」という意識はないです。ただ、竜青さんがケガでいない時期は、自分がやらなければいけない気持ちが強かったです。

藤井祐眞

「あつさんのところには余計に行ってしまいます(笑)」

──今シーズン、コロナでの中断以外で一番印象に残っている場面を教えてください。

宇都宮との開幕戦はみんなで戦って「やってやった」という感じがあって本当にうれしかったです。また、個人的には名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦で、確かベンチから出てきた直後、すぐにディフェンスでプレッシャーをかけて相手のターンオーバーを誘い、そのままシュート決めることができた。交代してすぐ、チームに良い影響を与えられたことで名古屋戦は印象に残っています。

──名古屋といえば、仲の良い小林(遥太)選手がいますが、それも影響していますか。

バシオ(小林)が相手で、より気合が入ったところはあります。けど、それも踏まえて楽しんで戦っている中、いきなりああいったプレーができたのは良かったと思います。

──小林選手に限らず、藤井選手は試合前のウォーミングアップで相手チームの選手とよく話している印象が強いです。また、先輩には礼儀正しく接する中、太田(敦也)選手に対してだけ扱いがフランクな気がしますが……。

同じ趣味の競馬をやっている仲間だったり、話す内容があれば流れで行く感じです。ただ、挨拶をする時だけは前もって行こうと決めています。あつさん(太田)の場合は、僕が来るのを待っているんです。「来なかったら寂しい。早くイジりに来いよ」っていう気持ちが前面に出すぎていて、かわいそうだと思ってあつさんのところには余計に行ってしまいます(笑)。

──あらためてシーズンを総括すると、ステップアップできた要因として何が大きかったと思いますか。

今までのコーチの人たちに感謝をしていますが、その上で新しいアシスタントコーチの存在がすごく大きいです。今までは選手を引退したらアシスタントになって、そこからヘッドコーチという流れがありました。それが今シーズンは他のチームでヘッドコーチ経験のある2人が、アシスタントとして来てくれました。これまでのコーチの路線にはない世界にいて、いろいろな経験をしているので、今までとは違う引き出しを僕らにも教えてくれます。例えばオフシーズンからNBAやヨーロッパの動画をまとめて、「こういうプレーは使えるんじゃないか」というのを紹介してもらっていたりしていました。2人のおかげでプレーの選択肢が増えたと思います。

──最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。

今シーズンは本当に優勝を狙えるところにいましたし、こういう形で終わってしまったのは残念でした。ホームゲームではとどろきがずっと赤く染まるような状況で、そのおかげで勝ちきれた試合が何度もありました。そして無観客試合も経験したことで、今まで以上にファンの皆さんのありがたみを感じられたシーズンでした。これからも優勝を狙っていくためには皆さんの声援が絶対必要ですので、よろしくお願いします!

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