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「自分が成功できたのはキッドのおかげ」と感謝 しかない」

1月22日、バックスはチームを次のレベルに引き上げるため、指揮官ジェイソン・キッドの解任を発表した。若手主体のチームを形にし、ヤニス・アデトクンボをオールスタープレーヤーへ、そしてNBA屈指のオールラウンドプレーヤーに育てたのは紛れもなくキッドだ。その恩師が解任されてから2日後の1月24日、アデトクンボが複雑な胸中を明かした。

アデトクンボは、正式発表の直前にキッドの解任を知らされた。そのことについて本人は「自分は周囲の人に誠実に接する性格だから、発表前に知ったことで居心地が良くなかった」と振り返る。解任の報せを受け、アデトクンボはキッドに電話をかけている。キッドが『ESPN』に明かした内容によれば、アデトクンボは「オーナーに掛け合う」とまで言ったそうだ。この行動からだけでも、自分を育ててくれた恩師への信頼の大きさが伝わってくる。

アデトクンボは言う。「自分が成功できたのはキッドのおかげ。彼が自分を信じてくれて、ボールを託してくれた。毎日刺激を与えてくれた。平凡な選手で終わらないよう、偉大な選手になれるように追い込んでくれた」

ここまで信頼していたキッドが解任されたのだから、少しは球団の判断に不満を持っても不思議ではない。しかし、それはアデトクンボのやり方ではない。エースは、より良い方向に進むため、球団が下した苦渋の決断だったと受け入れている。

「優勝レベルに進むために必要と球団が判断したのなら、正しいことだと思う」と、アデトクンボは語った。

現在バックスは24勝22敗で東カンファレンス8位。アデトクンボが中心のチームには地力もつき始め、間もなく長期欠場していたジャバリ・パーカーも復帰する。3位のキャバリアーズとのゲーム差はわずか3で、上位浮上も十分にあり得るだろう。レギュラーシーズン後半戦は、キッドが集め、育てたチームにとって、腕の見せ所になる。