トニー・パーカー

現役引退から1年、スポーツビジネスで手腕を振るう

スパーズのレジェンドであるトニー・パーカーは、昨シーズンを最後に現役キャリアに終止符を打った。それでも多忙な日々に変わりはない。彼は引退前からセカンドキャリアを見据えていた。かつて自身がプレーしたフランスのプロクラブ、アスヴェルのオーナーであり、様々なスポーツビジネスに進出するとともに、アスリート向けの金融マネジメントも手掛けている。

『The Undefeated』とのインタビューでパーカーは自身のビジネスを語るとともに、将来の夢を明かした。

リヨンに本拠地を置くアスヴェルは昨シーズンにフランスリーグで優勝したが、今はリーグが中断されており、彼もビデオチャットで選手たちをケアしている状況。フランスも新型コロナウイルスの被害が大きく、リーグ再開の目途は立ちそうにない。それでも18歳のポイントガード、テオ・マレドンが今年のNBAドラフトの注目候補となっており、パーカーも彼に期待を寄せる。

「テオは14歳で我々のキャンプに来て、16歳で契約を結んだ。ここで成長し、昨シーズンは信じられないほどの活躍で優勝に貢献して、今シーズンはユーロリーグでデビューして結果を出している。ヨーロッパでは若いうちからプロレベルでプレーする。上手く行けば今年のドラフトで1巡目指名されるだろうし、NBAで大きな成功を収められるはずだ」

パーカーがリヨンを拠点にビジネスを行っているのは、フランスサッカーの古豪、オリンピック・リヨンのマネジメントに参画しているからだ。そのかかわりはこの1年で深まり、ジャン・ミシェル・オラス会長が勇退した際には後を引き継ぐとの噂もある。ただ、パーカーは後継候補に挙げられることを「非常に名誉なこと」としながらも、「リヨンに行くことはない」と否定した。

「アメリカは20年暮らして気に入っているし、ここでずっと暮らすつもりだ。僕の夢はNBAチームのオーナーになること。その時はオリンピック・リヨンと一緒にやるかもしれない。僕らは大きな夢を持っている。5年から10年の間に実現したいと、オラス会長とは話している」

彼は今もスパーズの本拠地、サンアントニオでの暮らしを続けている。現役時代と変わらず、頭脳とハードワークで自らの仕事に邁進する彼なら、NBAチームのオーナーになるという壮大な夢もいずれ実現させるに違いない。