「劇団松島を支えていただき、ありがとうございました」
本日、今シーズン限りでの引退を発表したレバンガ北海道の松島良豪が引退会見を行った。
本来はホームアリーナである北海きたえーるで披露するはずだった『劇団松島 THE FINAL』のパフォーマンスは、新型コロナウイルスの影響によりオンラインでの発表となった。それでも松島は「自分でも感動できて、笑えて、素晴らしい作品だった。今できる僕の最高のパフォーマンスだなと思いました」と胸を張った。
ポイントガードとしての活躍はもちろん、昨シーズンのBリーグアワードで披露したバブリーダンスなど、ホームゲームでは試合前のエンタメである『劇団松島』を団長としてプロデュースし、出演してきた。リーグ屈指のエンターテイナーはこの『劇団松島』への思いをこのように語った。
「Bリーグの中でこの名前が浸透していることに感謝します。この名前はファンの方がつけてくれましたし、ファンありきの劇団だと思っています。最初の頃は試合前にやることにいろんな意見がありましたが、ここまで多くの人に支えてもらいました。劇団はなくなってしまいますが、レバンガ北海道の会場に来れば、素晴らしいパフォーマンスが起きるということを楽しみにしてもらいたいです。今まで劇団松島を支えていただき、ありがとうございました」
シーズンが途中で中止となったことにより、無観客となった川崎ブレイブサンダースとの試合が松島にとって最後の試合となった。12分の出場でシュートアテンプトはなく、4アシストを記録した。
「スタッツに関しては0点でしたけど、4アシスト。僕らしいなと思います。人を生かすという美学でやってきたので、あの試合には折茂武彦選手にもアシストできました。内田旦人選手とは、個人的に自主練もやってきたので、内田選手にアシストできたことはとてもうれしかったです」とコメントし、最後の試合を振り返った。
松島は2015-16シーズンに加入した北海道で5シーズンを過ごし、引退を迎えた。そんな北海道を「人生の分岐点」と評した。
「ここに来なければ分からないこともたくさんありましたし、いろんなことを学びました。これから先の人生は分からないですけど、今の時点ではここに来て良かったですし、5年前にここに来る決断がなければ今の僕はなかったと思っています」
まさかのCCOに就任「みんなを繋ぐ」
松島は大学院に進学し、その先は指導者になるために引退を決めた。現在も「バスケット以上に難しい」という勉強に励んでいる。
「これからもっと勉学に励み、アンダーカテゴリーに僕のバスケットの経験とこれから得る知識を還元していきたいです。一人の人間として立派に生活できる素晴らしい選手を育成できるように、コーチ松島良豪をあらためて応援してください。沖縄出身ですけど、北海道が大好きです! 今までありがとうございました」
ファンへの感謝の言葉で会見は大団円を迎えたはずだったが、「俺がこのまま終わるわけないでしょう」と、最後にサプライズが待っていた。『北海道に明日のガンバレを』というレバンガ北海道の理念を体現し、クラブに貢献した功績を称えられ、最高コミュニケーション責任者(CCO)への就任が発表されたのだ。
「僕がCCOとしてレバンガ北海道のコミュニケーションを円滑にしていきます。具体的な仕事としては『みんなを繋ぐ』。これからもレバンガ北海道CCO松島良豪をよろしくお願いいたします」
CCOとしての初仕事として、引退記念YouTubeライブ配信を今夜20時に行うという。1試合18アシストというBリーグの記録を持つ松島のプレーをコートで見ることはもうできない。それでも彼は稀代のエンターテイナーとして、これからもBリーグを盛り上げていく。