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アデトクンボを要するチームが伸び悩み、指揮官交代

バックスはここまで23勝22敗で東カンファレンス8位とプレーオフ進出圏内ギリギリの成績。今年に入って4勝7敗と成績を落とす中、突如としてジェイソン・キッドの解任を発表した。

ジョン・ホルストGMは声明を発表し、ヘッドコーチ解任を次のように説明している。「多くの要素がある中、最終的にはチームを次のレベルに引き上げ、優勝という目標に近づくために新しいアプローチとリーダーの変更が必要だと判断しました。今回の決断はバックスの選手たちの才能をフルに発揮させる機会になると確信しています」

ジェイソン・キッドは現役時代に歴代2位となる通算アシスト数(1万2091)を記録したNBAを代表するポイントガード。就任1年目の2014-15シーズン、前年に15勝67敗と低迷していたバックスを立て直してプレーオフに導いていた。2016年夏には新たな3年契約を結んだが、その契約期間の半分で解任されることになった。

チーム立て直しの貢献は大きいが、その後はヤニス・アデトクンボという大エースを擁しながら勝率5割前後の成績。今のNBAの力関係を考えれば、レベルの低い東カンファレンスでぎりぎりプレーオフに進出するレベルではなく、優勝を狙えるチームにしてほしいというのがフロントの本音だろう。今シーズンは獲得も放出も最小限に抑え、昨シーズンのチームをより伸ばす方針だったが、昨シーズンの成績(42勝40敗)から向上は見られなかった。頭打ちという現状を打破するため、フロントは大ナタを振るった。

コーチ・キッドは舞台を降り、22日のサンズ戦はアシスタントコーチのジョー・プランティが暫定的に指揮を執る。

ホルストGMの説明からすると、ショック療法としての指揮官交代ではなく、先のことも見据えての決断。水面下では新たなヘッドコーチ選定が進んでいると見られるが、果たして誰がバックスを任されるのだろうか?