文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

スミスを強調し、互角の展開に持ち込んだ京都

京都ハンナリーズとアルバルク東京の第2戦。ジョシュア・スミスのインサイドに手を焼くも、それ以外を抑えるチームバスケットを遂行して得点を積み上げたA東京が86-77で勝利を収めた。

京都は洗練されたA東京のハーフコートバスケットを止められず、開始2分半で0-7とされてタイムアウトを要求。そのタイムアウト明けのディフェンスでもアレックス・カークに田中大貴との合わせから豪快なダンクを叩き込まれ暗雲が立ち込めた。

それでもジョシュア・スミスがオフェンスリバウンドからダンクを返して遅ればせながら初得点を決めると、京都に落ち着きが戻る。晴山ケビンがルーズボールへのダイブで執着心を見せると、それに呼応してチーム全体が活性化し、今度はA東京のシュートがリングに嫌われ始めた。

スミスのインサイドを中心に、14-0のランで逆転した京都は、永吉佑也の3ポイントシュートで締め、20-19とリードして第1クォーターを終える。

ともにオン・ザ・コート「2」の第2クォーターは、ブレンダン・レーンが田中のレイアップを連続でティップインし、ディフェンスでもスミスにボールが入る前を狙ったパスカットやブロックショットと渋い働きでA東京を盛り立てるが、それでも京都はスミスがパワーを生かしたインサイドプレーで得点を重ね、しっかりとついていく。

1人に依存しないA東京のチームバスケ

43-40とA東京がわずかにリードして迎えた後半、試合が動く。京都は引き続きスミスを強調するが周りの選手の得点が伸びない。スミスがオフェンスリバウンドから得点につなげるが単発となり、じわじわと点差が広がっていく。

A東京は京都とは対照的にチームプレーが冴え、流れるようなパス回しから高確率でシュートを決めていく。菊地祥平の2本連続3ポイントシュート、さらには竹内譲次も続いて67-57と点差は2桁に。カークもスミスに負けじと内外から10得点を挙げてリードを広げた。

71-58と13点をリードして最終クォーターを迎えたA東京は、セカンドチャンスからザック・バランスキーの3ポイントシュート、カークが速攻から得点するなどリードを保つ。京都はスミスの7連続得点で点差を1桁に戻すも及ばず。残り2分、ノーマークとなった田中が3ポイントシュートを沈めて83-71とし試合を決めた。

スミス41得点も勝利につながらず

勝利したA東京のルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは「効率良く得点につなげられたオフェンスも良かったですが、ディフェンスが勝因だったと思います」とコメント。また次節には馬場雄大の復帰をほのめかし、笑顔で会場を後にした。

18得点11リバウンド、攻守に奮闘したカークは「前半はファウルトラブルで少し苦しみましたが、全体的には良いプレーができました」とコメントしている。

京都はジュリアン・マブンガの穴をスミス一人で埋めた形となったが、A東京は安藤と馬場雄大の穴をチーム全員で埋めた形となり、そのチーム力の差が表れた結果となった。

A東京はアウェーで2連勝を収め、リーグ全体1位を守っている。