写真=Getty Images

「ホームとなれるようなチームを見つけたい」

NBA初の台湾系アメリカ人選手として認知され、ニックスで大ブレークを果たしたジェレミー・リン。その後、左膝の負傷で手術を余儀なくされ、チーム事情からプレータイムが減少したりと、これまでのチームでは先発メンバーとして定着することはできなかった。

今シーズンはホーネッツでプレーし、平均26.3分の出場で11.7得点を記録。これは先発メンバー以外の選手の中では1番高い数字であり、2年ぶりのプレーオフ進出に大きく貢献した。しかし、先発の座を強く希望するリンは、ホーネッツとの2年契約を破棄し、フリーエージェントとなる道を選んだ。

「NBA6年間のキャリアで5つのチームでプレーし、Dリーグでは2チームでプレーしてきた。6年間で7都市だ。チームが変わることに疲れたし、自分のホームとなるようなチームを探したい」とリンは言う。

8月で28歳を迎えるリンは、明確な考えと目的を持ち、この決断を下した。

「自分がどれだけうまくなったかを証明したい。僕は今27歳だ。NBAでは27歳から30歳が肉体的にも精神的にも成熟し、全盛期を迎える年代と言われている。なので、自分自身最高のパフォーマンスを見せることができるこのタイミングでフリーエージェントになる道を選んだんだ」

もっとも、リン旋風を巻き起こしたニックスへ復帰するという選択肢は、デリック・ローズの電撃移籍によって可能性が限りなく0に近くなってしまった。

2年ぶりのプレーオフ進出に貢献し、自身の成績も悪くなかったことを考えれば、ベンチからの起用はチームとしても、そして彼自身にとっても成功だったと言えるのではないか。先発出場が絶対条件とすれば、リン獲得に手を挙げるチームは出てくるのかどうかは微妙なところ。もっとも、リンはそれを承知で移籍を選んだ。今後の動向に注目が集まる。

ベンチからの出場で平均11.7得点を記録するなど、得点能力の高いポイントガードとして評価されるリン。