ジェイレン・グリーン

新プログラムを利用する最初の選手に

2021年のNBAドラフトで目玉候補のジェイレン・グリーンが大学へは進学せずGリーグに挑戦すると表明した。グリーンはNBAとGリーグが新たに制定した『プロフェッショナル・パス・イニシアチブ』と呼ばれるプログラムに参加する初めての選手になった。

グリーンは『Yahoo Sports』とのインタビューでNCAAをスキップしGリーグの育成プログラムに参加することについて抱負を語った。

「総合的にレベルアップして最終目標であるNBAに向けて良い準備をしたい。プログラムは選手が成功できるよう全てがしっかり計画され設立されているので、結果的に自分は良い決断をしたと思っている。大学へはいつでも入学して卒業できるので、学習の機会を失ったわけではない。私の家族は教育を大事にしているんだ」

NBAが育成プログラムを作ったきっかけは近年のドラフト制度の崩壊にある。1995年にケビン・ガーネットが高校からドラフトにエントリーしてから、リーグは大学進学を希望しない選手の扱いに頭を悩まされてきた。2005年に19歳以上の選手にドラフトにエントリーする権利を与える制度を作ったが、大学に1年間在籍しただけでプロ入りする選手が増えたため制度の不備が指摘されていた。

NCAAも高校生のリクルーティングに関してFBIの捜査が入るなど問題が多かった。最近ではドラフト全体1位候補だったメンフィス大のジェームズ・ワイズマンが、母親がコーチからお金を借りていたとしてNCAAから出場停止処分を受け、わずか3試合に出場しただけで退学する事件があったばかりだ。

ドラフト上位候補と評価されているラメロ・ボールやR.J.ハンプトンはオーストラリアでプレーしているが、成長しているとは言い難く、グリーンが参加する育成プログラムは、大学進学を望まない高校生がプロとして海外でプレーするのを防ぐ目的もあるという。

グリーンはNBAの球団と提携していないGリーグチームで戦うことになり、50万ドル(約5400万円)の給与が与えられ、来年以降のドラフトまでNBAレベルのコーチによる育成プログラムに参加する。