A東京の堅守が効きロースコアゲームに
アルバルク東京と千葉ジェッツの元旦決戦。57-56で辛勝した大晦日に続き、千葉の得点力を封じてロースコアゲームに持ち込んだA東京が67-49で完勝した。
A東京のアグレッシブな守備は序盤から光った。ボールマン以外の選手へのディナイディフェンスによって、千葉のゲームメークを遮断。特に目立ったのが菊地祥平だ。富樫勇樹からオフェンスファウルを誘発し、ボールへのハードチェックから24秒バイオレーションを奪うなど守備面でチームを牽引した。
オフェンスではアレックス・カークがインサイドで奮闘し5得点を挙げ、ギャビン・エドワーズを開始2分半でファウルトラブルに追い込む。インサイドの大黒柱を失った千葉は攻守ともに後手に回ってしまい、さらに追い打ちをかけるように富樫がドライブの際に負傷退場となった。
18-9のスコア以上の優位を得たA東京は西村文男を中心とする千葉の逆襲を浴びるも、馬場雄大がスティールから楽々とダンクシュートを見舞い、悪い流れを断ち切り、オフェンスリバウンドからセカンドチャンスポイントを重ねて35-28とリードを保って前半を終えた。
後半からは富樫が治療を終えてコートに戻るも、ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチが「富樫のトランジション、ピック&ロールなど、彼がクリエイトして周りを生かすプレーを抑えることを意識した」と言うA東京のディフェンスは崩れない。ボールを受けたエドワーズが孤立するシーンが増え、高い位置でしかボールが回らないようになり、リズムの悪い外角シュートはことごとくリングに弾かれた。
ディフェンスのA東京を体現し快勝
50-38で迎えた最終クォーターもA東京のディフェンスの強度は落ちない。2人目、3人目のローテーションが機能し千葉をシャットアウトする。オフェンスでもデザインされたプレーを落ち着いて遂行し続け、マークを外して確実に加点していった。残り5分56秒、小島元基の3ポイントシュートが決まり20点差となったところで勝負あり。千葉を今シーズン最少得点となる49に封じ、A東京が快勝した。
ルカコーチは「ディフェンス、エネルギー、激しさ、それと同時にスマートに40分間戦った結果だと思います」と試合を振り返る。勝因はやはりディフェンス。特に第1クォーターを9点に封じたことで試合全体を支配できた。ルカコーチは「2戦目の戦い方がいかに大事か、1戦目のディフェンスレベルから落とすなと言いました。昨日以上の戦いをし、常に主導権を握ってリードできた」と説明した。
「昨日はワイドオープンを作る場面があったので、今日はオープンを作らせず、3ポイントシューターを乗せるなと指示した」というように、千葉の3ポイントシュートを11本中1本のみの成功に封じた。3ポイントシューターの石井講祐に1本、原修太には0本と、成功率もさることながらシュートすら打たせない徹底ぶりだった。
今シーズン最少得点で敗れ、「完敗です」
千葉の大野篤史ヘッドコーチは「フィジカルにタフに40分間相手のほうがやり続けた結果だと思います」と、完敗を認めた。最も苦労したポイントは「オフェンスリバウンドとボールムーブメントができなかったこと」と振り返る。オフェンスリバウンドはA東京の15に対し5と3倍の差があり、セカンドチャンスポイントでは17-3と大きく差がついた。ロースコアの展開でこの差は挽回が難しい。
ボールムーブメントについては「やろうという意識はあるんですけど、自分がどうにかしようという意識が強すぎてチームメートを使おうという意識が足りなかった。それでボールが孤立してしまいました」と説明した。
シューターが封じられたことについても「アルバルクさんのディフェンスのほうが上でした」と素直に認めた。「今日シュートを打てなかったところで、練習と何が違うのかを分かってもらわないといけない。またシュートのアテンプトがないのは彼らだけのせいではなくて、良いスクリーンをかけていない、良いボールを回してない。周りの人間が彼らにどうやってシュートを打たせるかも反省しなければいけない」
東地区の首位攻防戦は堅守が光ったA東京の2連勝という結果となった。今シーズン初めて連敗を喫した千葉だが前年度王者として天皇杯に臨む前に課題を見つけたという意味では、収穫のある1節となっただろう。
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