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「お金の価値は、使ってみないと分からない」

2008年のNBAドラフト全体2位で指名されたマイケル・ビーズリーは、波乱のキャリアを送ってきた。

素行不良というレッテルを貼られ、中国でのプレーも経験した。しかし、今シーズン所属するニックスでのビーズリーは、真摯な姿勢と謙虚な発言でこれまでのイメージを覆している。12月21日のセルティックス戦では、ベンチから32得点12リバウンドを記録。出場時間が25分未満で、しかもベンチから1試合32得点12リバウンドをマークしたのは、1970-71シーズン以降初のケースだった。

そのビーズリーは『USA Today』のインタビューで、かつての浪費癖を明かしている。ルーキーシーズン、彼が所有していた車は「9台」とのこと。「とにかく金がたくさんあったし、欲しいものも多かった。特に車への執着心は強かった」と答えた。

1年目とはいえ、ドラフト上位指名選手ならば大金持ちになれるのがNBAの世界だ。大学生から一気に数百万ドルの収入を得て、その先もどんどん条件が良くなる未来を描けているとしたら、常識外れの金の使い方をしてもおかしくない。その典型的な生活を送ったビーズリーは、当時はお金の価値を理解していなかったと話す。

「今は車は1台しか持っていない。他に優先させることがあるからね。当時は何の責任も伴わない生活だったから、金を使うのは簡単だった。お金の価値を理解するには、使ってみないと分からない。当時は分からなかったんだ」

今シーズンでキャリア10年目を迎えたビーズリーは、ようやくドラフト2位指名を受けたポテンシャルを発揮しつつある。時間はかかってしまったが、人間として成長し、選手として成熟したビーズリーの今後に注目したい。