「失うものはない」大阪桐蔭の気迫に飲み込まれ
高校バスケ日本一を決めるウインターカップ5日目、昨日の岐阜女子(岐阜)に続き高校女子バスケの『2強』が姿を消した。大阪桐蔭(大阪)と準決勝を戦った桜花学園(愛知)は序盤にビハインドを背負い、そのまま押し切られる形で完敗を喫した。
桜花学園は大阪桐蔭のゾーンディフェンスを攻略できず、足が止まってしまう。インサイドで起点を作れず、リズムの悪い中で放つ3ポイントシュートはことごとくリングに嫌われた。そして強さと巧さを兼ね備えた大阪桐蔭のエース、竹原レイラがゴール下で猛威を振るう。試合開始から7分半で竹原は10得点を記録。22-6と大差を付けた。
前日の昭和学院(千葉)戦でもそうだったように、『格上』の桜花学園に「失うものはない」という気持ちで挑んでくる相手に対して受けに回ってしまった部分もある。先手を取られた上に、竹原にはダブルチームを仕掛けても止められず、第2クォーターにも10得点を奪われる。攻めも大阪桐蔭のアグレッシブなディフェンスを崩せず、単発のシュートが続いた。
第3クォーターを終えた時点で38-60。ラスト4分、42-72と30点に差が開いたところで大阪桐蔭は竹原を始めとする主力をベンチへと下げた。この屈辱的な状況に対し、桜花学園は山本麻衣、坂本雅、平下愛佳、藤本愛瑚、伊森可琳の5人全員がフル出場。最後まであきらめずに戦ったが最終スコア54-79、25点差で敗れた。
藤本「向かっていく気持ちが足りなかった」
大阪桐蔭の永井雅彦アシスタントコーチは「胸を借りるつもりで、チャレンジャーの気持ちで仕掛けたゾーンが良かった」と勝因を語る。「ウチは若いチームなのでメンタル的にもプレッシャーには弱いんです。でも桜花さんを相手にうまくゲームに入ってリラックスできた。ゾーンを仕掛けたことで、桜花の足が止まりました」
今大会これまで3試合すべてでゲームハイの得点を叩き出した桜花学園のエース、藤本愛瑚は16得点止まり。「ゾーンアタックの練習はやっていたんですけど、竹原選手に好きなようにやられて、自分たちがディフェンスから流れをつかもうと言っていたんですけど、自分たちがやりたいことを桐蔭にやられました」と試合を振り返った。
「自分がチームを勝たせろと言われていたんですけど、逃げてしまって、向かっていく気持ちが足りなかったです」と、エースの働きができずに肩を落とした。
5年ぶりに決勝進出を逃した桜花学園。明日の3位決定戦を残してはいるが、山本と藤本が卒業した後にどんなチームに生まれ変わるのか、注目が集まる。