慎重になりすぎた最終盤、接戦を落とす結果に
ウインターカップ4日目、男子はベスト8が出揃った。洛南(京都)と明成(宮城)の一戦はハイレベルな守り合いとなったが、終盤の勝負強さで上回った明成が62-59で競り勝った。
洛南は終盤にドライブからレイアップを放ったが、わずかに手元が狂い連続でボールはリングに嫌われた。一方の明成はショットクロックわずかなところから、相原アレクサンダー学がタフショットをねじ込んで優位を保った。
洛南の吉田裕司コーチは「惜しかったなぁ」と悔しさをにじませた。「向こうの相原が決めきった部分と、こちらがゴール下を2本、3本落とした差だよね、最後は」と試合を振り返る。「もう少し大胆にシュートを打っても良かったかな。ちょっとパスに頼りすぎて、もっと大胆に攻めるべきチャンスがありましたね」と敗因を挙げた。
1つのポゼッションも無駄にできない大接戦、洛南は慎重にプレーしたが、大事に行きすぎたことが悪い結果を招いた。残り17秒の最終盤、2点ビハインドで明成ボールの場面。洛南はファウルゲームを仕掛けるしかない状況だったが、スティールを欲張ったため中途半端な対応となり、ファウルコールされるまでに15秒も費やした。「ファウル気味でいいから強くいけ、ギャンブルしなさい」と吉田コーチは指示を出したが、選手はギャンブルしきれずに貴重な時間を費やした。
それでも最後は、残り2秒で津田誠人が決まれば同点となる3ポイントシュートをオープンで放つチャンスを作りだしたが、オープンではあってもクロックを気にしなければいけない状況、決して簡単ではないショットが外れ、洛南の冬が終わった。
「最後までチームに迷惑を欠けてしまいました」
大黒柱の津田は「最後の最後までエースになり切れなかったです」と自分を責めた。18得点も13リバウンドもチームハイの数字。八村阿蓮とのマッチアップでもよく抑えたが、足がつってしまい、パフォーマンスは徐々に低下していった。
「自分の体調管理が足りてなくて、これまでの戦い方が招いた結果です」と津田は悔やむ。シード権を得られず、明成と当たるまでの疲労も少なからず影響したに違いない。津田は昨日の船橋市立船橋戦でほぼフル出場し、1回戦でも30分弱の出場と余力を残すことができなかった。
「後半に進むにつれて、リバウンドを自分が取らないといけないという意識があって、何回も跳んでいたのでやっぱり足にきてしまいました。洛南には代わりがいないので、自分が抜けてしまってはいけないと感じてたんですけど、抜ける形になって、集中も欠いて、最後までチームに迷惑を欠けてしまいました。申し訳ないと思ってます」
センターコートに立つことはできず、ベスト16で姿を消した洛南。高校バスケが終わったばかりとあって津田からは後悔の言葉ばかりが漏れたが、「やり切った結果。この経験を忘れないでほしい」という吉田コーチの言葉を胸に、これからも成長を重ねてほしい。