パウ・ガソル

レイカーズ史上に残るデュオ

NBA選手のパウ・ガソルは新型コロナウイルスに立ち向かうため、スペイン出身のアスリートとともに『#nuestramejorvictoria』というキャンペーンを立ち上げた。スペイン語で『我々の最大の勝利』を意味するこのキャンペーンは、スペイン人のプロアスリートが結束して寄付を募るものだ。

ガソルが中心となってスペイン人アスリートたちは連係を強めているが、彼はリーダーとしての在り方をコービー・ブライアントから学んだと『ESPN』に語った。

ガソルは2007-08シーズン途中にグリズリーズからレイカーズにトレードされてコービーとデュオを組んだ。そのシーズンからレイカーズは3年続けてNBAファイナルに進出し、2008-09シーズンから連覇を達成した。

コービーは優勝するために必要な戦力だったガソルに期待し、多くを要求した。ガソルもまた、コービーの叱咤激励に応えた。レイカーズ史上に残る屈強なデュオとなった2人だが、ガソルはレイカーとしてプレーする前から、リーダーとしてのコービーに惚れていたという。

「トレード成立後にLAで身体検査を受けて、それからワシントンD.C.で遠征中のチームと合流した。コービーはトレードが決まってからすぐにメールをくれて、ワシントンD.C.に着いたら僕に会いたいと言ってくれたんだ」

ガソルはコービーの気持ちに感謝したが、ワシントンD.C.に着いたのは深夜だった。彼は翌日に試合を控えているチームメートを気遣い、コービーに連絡を入れたという。

「午前1時半くらいだったかな。彼には『もう遅いから、明日会おう』と伝えたら、『いやいや、行くよ。会いに行かせてくれ』と言われてね。そして本当に部屋に来てくれたんだ。うれしいサプライズだったよ。彼から『君がチームに来てくれて本当にうれしい。最高だ。一緒に優勝しよう』とも言ってもらったよ」

「最初にメールをもらった時から彼の人間性や重視すること、求めるレベルや意識が伝わった。もうプレーオフで負けることはない、レイカーズでは優勝を狙えると思ったよ。それを彼が行動で示してくれた。素晴らしい体験だったし、彼がどういうリーダーかもすぐに分かった」

ガソルは2014年にレイカーズを退団したが、その後もコービーとは良好な関係を維持した。タイプこそ違うが、ガソルは彼なりのやり方で今もリーダーシップを発揮している。