パット・カナトン

「彼は最善と思う決断を下す」

シーズン中断中のNBAだが、今年のオフに最も去就が注目される選手は、2018-19シーズンMVPのヤニス・アデトクンボだろう。

アデトクンボは、今年のオフにバックスとスーパーマックス契約を結ぶ資格を手にしているが、もし球団との交渉が上手く進まなければ、2021年のオフにフリーエージェントになる。

アデトクンボがフリーエージェントになれば、サラリーキャップに余裕のあるほぼ全球団が獲得に名乗りを挙げると予想される。ただ、今のところそうなる可能性は低く、周囲は球団に忠誠を誓う彼が残留を決断すると考えている。それでも、再開が予定されている2019-20シーズンの結果次第では、アデトクンボの考えも変わるかもしれない。

エースの退団を止めるべく、パット・カナトンが一役買うことを『SB Nation』とのインタビューで宣言した。「(去就について)ヤニスと話すつもりでいる」と語ったカナトンは、バックスの絆の強さを強調した。

「僕たちはそれだけ仲が良いんだ。バスケットボールだけでなく、ビジネス、世界情勢、社会問題についても話す間柄。そういう要素をチームにもたらしたのはカイル・コーバーで、僕たちのロッカールームの絆は相当に強いね」

「以前も何度か話題になったことがあったけれど、世間が騒ぐほどの問題ではないよ」とも語ったカナトンは、引き留めに尽力しても、最終的にはアデトクンボの選択を尊重すると明言している。

「もちろん、ミルウォーキー全体もチームも、ヤニスには球団にずっと残ってもらいたいと思っている。ただ、ヤニスは家族を食べさせていかないといけない立場にいるわけで、生活が苦しかったギリシャ時代を経て今がある。どういう決断を下そうと、彼を責めることなんてできない。彼は、自分自身、家族、近しい人にとって最善と思う決断を下すわけだからね」

万が一にもアデトクンボがフリーエージェントになれば、レイカーズとラプターズが移籍先の最有力候補になると噂されている。特にレイカーズには、フォワードのアデトクンボにボールハンドリングを任せる大胆な手法を取り、センター以外のポジションでプレーできる選手へと成長させたジェイソン・キッドがアシスタントコーチとをしている。時期尚早の話ながら、仮にアデトクンボがバックス退団を決意すれば、レイカーズは『恩師』のキッドとの関係性を最大限に活用するに違いない。

カナトンは大した問題ではないと話したが、彼やチームメートが担う役割は、想像以上に大きなものになりかねない。