サマーリーグ

下位シード順を決めるトーナメント実施案も検討

アメリカにおける新型コロナウイルスの感染者数は10万人を超え、世界最多となった。

NBAのシーズン再開も、いつ、どのような形で実施できるか見えてこないが、現状では6月中を一つの目標としている。それでも、レギュラーシーズンを再開して残りの試合数を消化し、長いプレーオフを経てNBAファイナルまで実施するには超えなければならない課題が無数にある。

シーズン再開の目処が立ったとしても、選手を含む関係者の安全が最優先となるのは間違いない。その状況で各チームの練習場所と試合会場をいかに確保するかは難しい問題となる。

そこで浮上したのが、各チームがホームゲームを開催するのではなく、ラスベガスでのセントラル開催というシーズン再開プランだ。『CNBC』は、NBAがラスベガスでのシーズン再開というアイデアを検討していると報じた。新型コロナウイルスの罹患予防を考えた際、大人数での長距離移動の連続は特にリスクが高い。セントラル開催であれば、このリスクを避けられる。

ラスベガスには、NBAがサマーリーグを開催しているトーマス&マック・センターとコックス・パビリオンという2つの会場があり、チームや関係者が滞在するホテルも十分にある。

ちなみに毎年夏にラスベガスに来るのは、サマーリーグに参加するチームに所属する選手とスタッフだけではない。サマーリーグに出場しない関係者も続々とラスベガスに集まってくる。ラスベガスの郊外も含めた多くの体育館で短期間のトーナメントやワークアウトが集中的に行われ、コーチングスタッフやスカウト、エージェントの情報交換も行われる。NBAがラスベガスで再開されれば、これらの練習施設をチームが使用できる。

その一方で、よりネガティブな選択肢も検討されている。感染規模の縮小に時間がかかり、レギュラーシーズンの再開に時間がかかった場合は、プレーオフ進出下位チームのシード順を決めるトーナメントの実施も検討しているとのこと。

NBAはコミッショナーのアダム・シルバーを筆頭に、役員たちの報酬削減を決めたばかりだが、NBAも各球団も、試合開催によって得られる収入の減少をできる限り抑えたいと考えている。大幅な減収となれば、それに応じてサラリーキャップの金額が引き下げられることになるし、右肩上がりだったリーグの成長も損なわれる。

そのためにも、大きな収入源となるプレーオフの損失は抑えたい。コミッショナーは関係者と様々な可能性について議論し、結論を下そうとしている。