「自分と同じ姿勢でプレーしているのはラスだけ」
現役引退から2年。現在『TNT』の解説者として活躍しているケビン・ガーネットは、常に感情を表に出すプレーヤーだった。そのガーネットが先日、『VICE SPORTS』のインタビューを受けた際、「現役時代の自分を思い出す選手はいるか?」という質問に対し、しばし沈黙した後でサンダーのラッセル・ウェストブルックを挙げた。
その理由をガーネットは「怒りが感じられるから」と説明する。
「ウェストブルック以外に、怒りを持ってプレーしている選手は見ない。それは、自分が現役時代にやっていたことだ。若手の頃には楽しくプレーしていた気もする。でも、大金を手にするようになってからは、楽しいなんて言っていられなくなった。それだけの責任が伴うからね」
ガーネットは、さらにこう続けた。
「ファンが期待するのは、選手がポテンシャル以上の力を発揮することだ。僕はそれに応えるため、怒りに近いパワーを持ってプレーするようになった。ウェストブルックのプレーからは、何かに対する復讐心というか、闘争心が出ている。そういう形でのプレーは僕に合っていた。僕はエネルギーに満ちた選手で、周囲の記憶に残るような選手でいたかったから」
プレースタイルこそ違うが、感情を表に出し、対戦相手を叩き潰すスタイルという点で、両者は似ている。レブロン・ジェームズ、ケビン・デュラント、ステフィン・カリーら現代を代表するスーパースターは、相手を圧倒するプレーこそ見せるが、ウェストブルックのような『殺気』は感じられない。あのコービー・ブライアントも、以前ウェストブルックについて「自分がシャック(シャキール・オニール)と一緒にやっていた当時のようなものを、彼はいまだに持っている」と語り、ウェストブルックの闘争心を称えた。
サンダーはまだ波に乗れているとは言えないが、ウェストブルックはそれすらも自身の活力に変えてしまうのではないだろうか。そこまでの闘争心、競争心を持った選手はいない、というガーネットの言葉に賛同する意見は多いはずだ。