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「僕たちは何か特別なことを成し遂げられる」

レイカーズでプレーするアンドリュー・ボーガットは、強豪チームからのオファーもあった中、ウォリアーズでプレーしていた時代のアシスタントコーチ、ルーク・ウォルトンとの関係性を重視し、再建段階の名門で若手の指南役として手を貸すことにした。

今シーズンの出場時間はキャリア最低の平均7.7分にとどまっている。機動力と3ポイントシュートが全ポジションに欠かせなくなっている現代のNBAにおいて、ボーガットのような伝統的なビッグマンの数は減少の一途をたどっているが、その経験やリーダーシップこそ、レイカーズが彼に求めている部分だ。

本人もチーム内での役割を理解し、受け入れている。ただ、話が2020年のオリンピックとなると血が騒ぐようだ。その理由の一つは、セブンティシクサーズの『救世主』ことベン・シモンズの台頭だった。

ボーガットは『ESPN』にこう語る。「シモンズのバスケットボールIQは、教えられて身に着くようなものじゃない。そのIQに加えて、身体能力、天性の才能が合わされば脅威だよ。彼が代表に加わることに興奮しているよ。彼が加われば、僕たちは何か特別なことを成し遂げられるかもしれない」

そのボーガットは、2020年には36歳になる。引退後は指導者になりたいという希望を持っているが、それは東京オリンピックまでお預けになりそうだ。

「まだまだ先は長いし、予選もある。でも、代表史上初めて、チームの大半がNBAプレーヤーという状況になるかもしれない。そう思えば欲も出てくるよ。僕にも、チームの一員になりたいという欲がある。限定的な役割だって構わないから選ばれたい。もちろん、貢献できると思っている。代表でのプレーは楽しいから」

いつかはボーガットが指導するブーマーズ(オーストラリア代表の愛称)が、日本代表と対戦する日が来るかもしれないが、東京で最後の戦いに挑むボーガットの姿も見てみたい。

ボーガットが語った内容は夢物語ではない。オーストラリアはシモンズだけではなく、ジョー・イングルズ、パティ・ミルズ、マシュー・デラベドーバ、アーロン・ベインズを擁しており、これからの世代にも期待できる。その選手層はヨーロッパや南米の強豪にも匹敵すると見ていい。育成がうまくいけば、世界最強の名を欲しいままにするアメリカ代表も軽視できないチームに変貌するかもしれない。

その代表にボーガットの名前があるかどうか、3年後の夏を楽しみに待ちたい。