「プロのスポーツ選手としてやるべき仕事ができた」
川崎ブレイブサンダースvsレバンガ北海道の試合は、昨日は北海道の3選手に発熱が認められ、選手の健康リスクを考慮して試合が行われなかった。一夜明けた今日、3選手の熱が下がったことで試合開催が決定。北海道はこの3選手を登録から外して戦うことを選択した。その北海道は前半に健闘を見せたものの、後半に息切れ。川崎はその隙を逃さずに突き放し、97-71の快勝を収めた。
川崎のキャプテン、篠山竜青にとっては、昨年末に負った左肘関節脱臼のケガ以来の戦線復帰となった。先発こそ外れたが17分のプレーで10得点5アシストを記録。肘にまだ違和感は残っているそうだが、復帰戦としては上々の出来だった。
もっとも、試合後の会見では自身のパフォーマンスよりも、この新型コロナウイルスの影響で振り回される状況についての質問が相次いだ。今日の試合が行われたことについては「まずは良かった、一安心。無観客試合でも映像を通してたくさんの人に見ていただけたのは、プロのスポーツ選手としてやるべき仕事ができました」と率直に歓迎する。
先週水曜に無観客でのリーグ再開が決まり、昨日は中止、今日は開催と様々な決定に振り回されることになったが、篠山はリーグとチームの決断に理解を示す。
「試合が始まる前に勇気を持って中止にしてくれたリーグの英断に感謝したいし、37.5℃に達していないにもかかわらず川崎に迷惑はかけられないと掛け合ってくれた北海道さんにも感謝したいし、その決断に敬意を表したいと思います。一日たって状況が目まぐるしく変わる中、勇気を持って試合をやると決めた以上は思い切りプレーするだけでした」
「声援を送ってくれるファンあっての僕たち」
この状況で試合を行うこと自体にリスクがないわけではなく、選手の中にはプレーを望まない者もいる。篠山はそのことにも理解を示す。
「新型コロナウイルスが蔓延している中、昨日の試合の前からリーグ再開について、正直に言うと不安が全くない選手はいなかったと思います。みんな捉え方もそれぞれで、家族がいる選手もいれば母国に家族を置いてきている選手もいます。昨日、中止になった時には少なからず動揺があったと思います」
「今日試合をやる連絡も12時すぎにもらったんですが、それまでは正直みんな不安に思っていました。でもそれに対して僕がキャプテンとしてみんなに上手いことは言えなかったし、言おうとも思わなかった。クラブからは『やると決まったからには全力でプレーしてほしい』と言われましたが、プレーしたくない選手がいれば、GMか球団社長に言って来ていいとも言われていました。不安のある選手は個々でコミュニケーションを取り、ユニフォームを着る判断をしました。GMや社長のフォローがあり、みんなで今日ユニフォームを着てコートに立つことができました」
試合はできたがファンは不在だったということで、篠山は応援してくれる人たちへの気持ちをこう語る。
「無観客での再開が決まって、SNSやメディアを通してファンの方々のメッセージは届いていました。こういう時こそ、SNSが発展している時代で良かったと思います。それを活用して皆さんの思いを受け取れたのは良かったです。たくさんのメッセージ、声援を送ってくれるファンあっての僕たちだとあらためて感じとることができました。この状況を早く乗り越えて、皆さんに生で僕たちのプレーを見てもらって恩返しができればと思います」
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