今シーズンのベストパフォーマンスで千葉を撃破
サンロッカーズ渋谷は千葉ジェッツとの同地区対決を制し、東地区2位に浮上した。
ベンチメンバーも総動員するチーム全員の力でつかみとった勝利だったが、現時点までのベストパフォーマンスを披露したジョシュ・ハレルソンの貢献度は一際目を引いた。オフェンス面ではシーズンハイの22得点を挙げチームを牽引。またオフェンスリバウンド4本を含む10リバウンドを獲得し、ダブル・ダブルを記録している。
シュートタッチの良かった3ポイントシュートは6本中4本を成功。練習の成果とメンタル面での充実がこの数字に表れたとハレルソンは言う。「日々の練習で取り組んでるし、あとは気持ちが大事だと思っている。自分も3ポイントに関しては高いレベルでやれると思っているから、打つショットすべてが入るという気持ちで打てている結果だ」
昨シーズンは平均15.1得点という高い数字を残したハレルソンだが、今シーズンは開幕からシュート精度が上がらず、現時点で平均9.8得点と数字を極端に落としていた。「夏にシューティングではなく、ウェイトに重きを置きすぎてしまったんだ。それが良くなかったね」とハレルソンは語る。
「大阪(エヴェッサ)にいた時は練習前に毎回シューティングをしていたんだ。今までやっていた形に戻して、今はシュート練習にしっかり取り組んでいるから本来の姿に戻ったんだと思う」とルーティンの変化が復調を呼んだと明かした。
208cmのハレルソンが3ポイントシュートを打つことは、相手ビッグマンをペイントエリアから遠ざけることにもなる。その結果、チームメートはリングにアタックしやすくなり、オフェンスに好循環をもたらした。
堅守の筆頭として「プライドを持ってやっている」
オフェンスの主役となったハレルソンだが、その存在感はディフェンスでも威力を発揮した。Bリーグ初代ブロック王の圧力は相手にとって脅威となる。昨日の試合でもリングにアタックしてくる千葉に対し、シュートを打たせず近距離でのパスを選択させた。その結果パスが乱れてターンオーバーを重ねる結果に。
ハレルソンもディフェンスには強いこだわりを持っている。「僕がそんなに点数を取れなくても、相手のビッグマンを抑えることができる。ディフェンス面でプライドを持ってやっているよ」とハレルソン。
またSR渋谷には同じNBA経験者のロバート・サクレがいるのだから、その効果は倍増する。このツインタワーはSR渋谷の大きな武器だ。「自分とロブ(サクレ)の2人はリーグの中でディフェンス面でもオフェンス面でもインサイドのトップクラスだという自信を持っている」とハレルソンも自負している。
ケガ人続出もチームの底上げに転じている
SR渋谷は昨日の勝利で連勝を10に伸ばした。だがキャプテンの伊藤駿が戦列を離れ、広瀬健太が全治2カ月の重傷で今節から欠場、昨日の試合では長谷川智也も足を負傷するなど、チームは満身創痍だ。それでも「そうせざるを得ない状況だけど、ケガ人が増えることで、逆にベンチの選手がステップアップできている」とハレルソンはポジティブにとらえている。
確かにシーズン前半はプレータイムに偏りがあり、試合の結果もついてこなかった。だがベンチメンバーの底上げにより、チームは連勝街道をひた走っている。「菊池(真人)や清水(太志郎)は以前は5分足らずのプレータイムしかなかったが、現在は20分近く出ている。我々は彼らにも頼らないといけないし、そういう意味では良い形に作用している」
プライドを持つほどの高いディフェンス力と、208cmの長身から繰り出される3ポイントシュートを武器とするハレルソン。チーム事情は苦しいが、本来の姿を取り戻したBリーグ屈指の『2ウェイプレーヤー』がこれからもSR渋谷を支えていく。