八村塁

チームを救った2本のオフェンスリバウンド

アウェー4連戦を終え、ホームに戻ってきたウィザーズ。トレイ・ヤングが風邪で欠場したホークスを118-112で下した。

前半の八村塁はボールに絡むシーンがほとんどなく、得点が伸びない。それでも時にはセンターを務めるなど、攻守ともに献身的な動きを続け、チームの潤滑油としての役割を果たした。

第2クォーター中盤には速攻の先頭を走り、ロングボールをゴール下で受けとりシュートを狙うが、ジョン・コリンズのブロックショットに遭い初得点とはならず。それでも直後のポゼッションでは、トランジションから前線へと走ることで数的有利を作り、トロイ・ブラウンJr.のノーマークでの3ポイントシュートに繋げるなど、自分の仕事を遂行していった。

前半を無得点で終えた八村だったが、後半最初のオフェンスでゴール下でシュートファウルを獲得し、フリースローで初得点を記録。その後、チームは八村を強調する戦術をとった。ディフェンスをスイッチさせてミスマッチとなった八村がポストアップするシーンが増えていく。こうしてボールに絡む機会が増えたが、今日の八村はシュートタッチが思わしくなく、得意のミドルシュートやペイントエリアでのシュートがことごとくリングに嫌われた。

また、スティールからボールをプッシュし、バスケット・カウントを獲得したかに見えたシーンではシュート前のファウルと判断され、オフェンスリバウンドを奪取したシーンではその後にボールをファンブルするなど、気合いが空回りした。

それでも、ホークスの猛追を浴びた終盤にリバウンドでビッグプレーを連発する。最終クォーター残り1分30秒、4点差に迫られたウィザーズはブラッドリー・ビールがレイアップを外してしまう。しかし八村がオフェンスリバウンドを奪い、ジャンプボールシチュエーションに持ち込んだ。

さらにこのジャンプボールをマイボールにしたポゼッションで、再びオフェンスリバウンドを奪ってファウルを誘発。このプレーにどれだけ価値があるかは、スタンディングオベーションで称えるベンチメンバーの盛り上がりぶりが示している。これで得たフリースローを2本しっかり沈めたことで、追撃を振り切った。

八村は33分間の出場で3得点8リバウンド(4オフェンスリバウンド)2アシスト1スティールを記録。6本放ったフィールドゴールはすべて外れ、連続2桁得点は8試合でストップした。

無得点だった11月7日のペイサーズ戦に次ぐ、ワースト2位の3得点に終わった八村だが、終盤のビッグプレーが表すようにチームに欠かせない存在であることをあらためて証明した試合となった。