先発起用からチームは7連勝、泥臭いディフェンスで琉球の浮上を支える田代直希

2017/12/05
Bリーグ&国内
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文・写真=鈴木栄一

「僕はただスタートで出ているだけです」

琉球ゴールデンキングスは、先週末に行われたアウェーでの横浜ビー・コルセアーズ戦で2試合続けて圧勝し、連勝を7に伸ばしている。連勝がスタートしたのはレバンガ北海道に51-77と今シーズン最悪の内容で敗れた翌日、北海道との2試合目となる11月5日から。これは田代直希が今シーズン初めて先発に起用された試合でもある。つまり、田代が先発となってから琉球は勝ち続けているのだ。

3日の試合後、このことを田代に問うと「そうなんですか」と驚いた表情。「僕はただスタートで出ているだけです。あとから出てくる(津山)尚大だったり、フルさん(古川孝敏)だったりと、みんな仕事をしているからの連勝で、僕の力というわけではないです」と続けている。

謙遜する田代だが、彼の台頭がチームに良い流れをもたらしているのは7連勝という結果が示している。大学時代から定評のある得点面に加え、何よりも肩幅のがっちりした3番ポジションとしてサイズのある体を生かしたリバウンド、ディフェンスといったハードワークでの貢献が光る。

このハードワークは今の田代が最も意識する部分だ。振り返れば今シーズンの田代は、プレシーズンゲームでは先発で起用されていたのが、シーズン開幕ではベンチスタートに。そしてプレータイムも約5分という短い時間が続いていた。

それが10月29日の千葉戦では、ディフェンスでの奮闘が評価されて約28分の出場を果たし、オーバータイムでの勝利に貢献。その後、1試合を挟んで11月5日から先発起用が続いている。

「泥臭いことにフォーカスできている」

開幕当初と11月以降の起用法の違いは、田代のどんな変化が影響しているだろうか。本人は、泥臭い仕事こそが自分の役割と集中できている点を挙げる。「開幕前、アーリーカップなどスタートで使ってもらっていた時は、勝ちたいとか試合に出たいという気持ちが弱かった部分がありました。練習でルーズボールを取られる。絶対に守らなければいけないところをやられてしまっていました。そこが当時と今では全然違います。当初はシュートが入る、入らないで悩んでいたのが、今はまずはディフェンスで頑張る。泥臭いことにフォーカスできているのが、プレータイムが増えていることにつながっています」

この思いは、今シーズン初の先発起用となった11月5日の北海道戦でも変わることはなかった。「たとえ1分、1分30秒でもいいので、出場時間を伸ばしていきたいと思っていたところで、スタメンを告げられた時は正直に言ってびっくりしました。ただ、これはチャンスで、結果を残したい。それも得点ではなく、リバウンドやディフェンスで結果を残すことを意識しました」

今やディフェンスにこそ、自身の役割を見いだしている田代だが、専修大学時代の彼は世代を代表するスコアラーと評され、昨シーズンも得点を期待されて起用されるケースが多かった。しかし、彼自身に点取り屋という意識はない。「大学の時は点を取れる人がいなかったので、僕が点を取っていた面もありました。今のチームは尚大、フルさん、(岸本)隆一さんなど全員が点を取れます。自分が試合に出るにはとにかくディフェンスです」

「できるかぎりスタメンでいきたい思いもあります」

とはいえ、ここまで先発になってからの7試合で平均9.4得点と、オフェンスでの貢献も大きい。「ノーマークなら打つ。ディフェンスが来たら抜いて、その後でカバーが来たらパスをすればいい。今オフェンスで手応えを感じられているのは、シンプルにできているのが大きいです」と分析する。

先発として定着しつつある田代だが、同じポジションで日本代表でもある古川孝敏がここに来て徐々に調子を上げており、今の居場所をキープするのは簡単ではない。「フルさんや、須田(侑太郎)には練習でのマッチアップから学ぶことが多くて、競争というより勉強させてもらっていると感じです」と謙虚な姿勢を崩させない田代だが、一方で秘めたる闘志も垣間見せる。「できるかぎりスタメンでいきたい思いもあります」

自分が生きていくための道をしっかり見つけ出した田代と、本領発揮まであとわずかの古川。さらに、このポジションをこなせるサイズとフィジカルも備えている須田もいる。今、琉球の3番ポジションは、田代のステップアップによってリーグでも有数のタレント力を誇るポジションになった。