デリック・ローズ

サンズの猛追を振り切るクラッチプレーで連敗脱出

ピストンズはサンズに競り勝ち、連敗を7で止めた。

2月のピストンズは冴えなかった。主力選手のアンドレ・ドラモンドをトレードデッドラインに放出。この時点で今シーズンのプレーオフ進出はあきらめたようなもので、そこからオールスターの中断期間を挟んでチームは7連敗と一気に転落してしまった。低迷期が長く続くことにファンは嫌気がさしており、早々にシーズンを投げ出したピストンズの判断に批判の声が多く出たのも無理はない。

そんなチームをプレーで引っ張ったのはデリック・ローズだった。ローズはNBAオールスターのスキルズチャレンジに出場するはずだったが、内転筋を痛めてこれを回避。復帰後もローズの調子はなかなか戻らず、チームは連敗を重ねていた。

このサンズ戦では第4クォーター途中に2桁のリードを奪うも、終盤になってサンズが猛追。リッキー・ルビオが巧みに緩急を付け、デビン・ブッカーがシュートを沈めていく。それでも残り1分を切って、ローズが相手の厳しいマークをかいくぐっての連続得点を決めることでピストンズがリードを守った。

サンズは残り2秒で2点差へと迫るも時間切れ。最後はブッカーがファウルを誘いながら強引にシュートに持ち込み、目論見通りに行けばシュートが決まって同点、ボーナススローももらって逆転のはずだったが、どちらも目論見通りには行かずに113-111でピストンズが勝利した。

クラッチタイムの大仕事で連敗ストップの立役者となったローズは「復帰してもう数試合が経過していたし、そろそろやらなきゃいけないと思っていた。そんな僕にチームメートはついてきてくれた」と語る。

その後に出てきた次の言葉は、早々にシーズンを投げ出したチームへの批判への、ローズなりの返答なのだろう。「残り21試合、僕らは次のシーズンに向けて成長していかなきゃいけない。この試合ではその姿を見せたと思う。ハードに戦う、そして楽しむ。チーム全員がその姿勢で、最後まで戦っていくつもりだ」

「一生懸命にやれば報われる。それが神様が作ったこのゲームの仕組みなのさ。今夜は勝利という形で報われた」

ピストンズはローズのトレードについて複数のオファーを受けながら応じなかったとされる。接戦をモノにしての1勝をもたらすだけでなく、バスケットボールに取り組む姿を若手に示す意味でも、チーム再建にローズが果たす役割は大きい。