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「優勝を知る選手を求めない理由が分からない」

今夏セルティックスとの間で成立させたカイリー・アービングを含む大型トレードをきっかけに、大幅なメンバー刷新を行なったキャバリアーズ。昨シーズンから様変わりしたロスターにあって、最も大きな影響を与えたのは、ドウェイン・ウェイドの加入だった。

レブロン・ジェームズにとっては、2003年のNBAドラフトの同期で、ヒートでは2連覇を果たした『盟友』だ。しかし、キャブズはウェイドを獲得後、登録人数を調整するためにチーム内で最も支持されていたリチャード・ジェファーソンを解雇することに。これに難色を示した選手がいたとレブロン自身が語ったことを、『The Athletic』が伝えている。

レブロンは「ウェイドの加入に難色を示した選手が何人かいた」と言う。「俺は、ウェイドに何ができるか分かっている。優勝を知る選手で、まだトップレベルでやれる選手をロッカールームに迎えられるのに、なぜそうしないんだ? 腹が立ったけれど、もう済んだこと。そういうことだよ」

ウェイドはキャブズ移籍後3試合で先発に起用されたが、開幕から思うようにいかなかったチーム状況を踏まえ、自らセカンドユニットでプレーすることを決めた。その後はローテーションの一角としてプレーし、平均10.8得点を記録している。

ウェイドが加入すれば、当然プレータイムが減る選手も出てくる。同じガードの選手ならば、それは受け入れ難いこと。しかし、レブロンの主張通り、まだ第一線でプレーでき、優勝に必要なメンタリティの持ち主の加入は大きい。そしてウェイドは、スター選手ながらベンチ起用を受け入れ、キャブズの優勝のためにできることをやろうとしている殊勝な気持ちの持ち主だ。

ウェイドの加入を嫌がった選手が誰かは分からないが、キャブズはケミストリーを構築し始め、10連勝を達成。序盤戦の不振が嘘のように勝負強さも取り戻した。東カンファレンス3位に浮上し、首位セルティックスにじわりじわりと迫っている。チームの真価が問われるのはこれから。ウェイドの加入が正しかったかどうかが判断できるのも、まだ先の話だ。