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試練を前に真価を発揮するレブロン・ジェームズ

レブロン・ジェームズは試練を好む。その試練が大きければ大きいほどに燃えて、パフォーマンスを上げていくタイプだ。

11月30日にフィリップス・アリーナで行なわれたホークス戦。レブロンに課せられたミッションは、ホークスの小兵ガード、デニス・シュルーダーを抑えることだった。

第2クォーター終盤、ホセ・カルデロンを相手に3本連続してレイアップを成功させたシュルーダーの活躍により、キャブズが背負ったビハインドは9点(58-67)に広がってしまった。9連勝中と好調のキャブズにとっても、ビハインドが2桁になっては逆転が簡単ではなくなってしまう。そこで指揮官ティロン・ルーは、前半だけで17得点を記録したシュルーダーのマークをレブロンに担当させることを決断。このスイッチが功を奏し、キャブズは後半を58-47で上回って121-114で勝利を挙げ、連勝を10に伸ばした。

レブロンは、シュルーダーとのマッチアップについて「チームメートに頼まれたということもあったし、俺は試練を求めていたんだ。その機会を逃すわけにはいかない」とコメント。

203cm113kgの体格がある上にガード並みのアジリティを備えるレブロンと対峙したシュルーダーは、キャブズの戦術変更に面食らった。試合後にはキャブズの戦術変更に驚いたと話した。「世界最高の選手が僕のマークについたのだから驚いたよ。でも、だからといってプレーを止めるわけではない。アグレッシブにプレーしようとしたけれど、彼は大きいし、抜くのは大変だ」

この結果、シュルーダーの後半の得点は10と失速。対するレブロンは第4クォーター終盤にシュルーダーのレイアップを難なくブロックで阻止するなど、『役者の違い』を見せつけた。

レブロンとのマッチアップについてよく知る『盟友』ドウェイン・ウェイドは「みんな、レブロンとの1対1がどれだけ大変なことか分かっていないと思うよ」と言う。「それがレブロンが最も偉大な選手と言われる所以だね」

開幕からリズムに乗れず苦しんだキャブズだが、いよいよ新チームのケミストリーが機能し始めた。東カンファレンス首位を走るセルティックスとの差は3.5ゲームあるが、シーズンはまだ長い。分厚い選手層を誇るキャブズの攻守が噛み合えば、恐るべき力を発揮するはず。キャブズの今後が楽しみだ。