「今年の問題はオフェンスが機能していないこと」
セブンティシクサーズはジョエル・エンビードとベン・シモンズの若いデュオを中心にチームを構築してきた。ここまで35勝21敗で東カンファレンス5位と決して悪い成績ではないが、期待値を上回っているとは言えない。そして、その原因はエンビードとシモンズの不仲ではないかと言われている。
不仲説に最初に言及したのはアル・ホーフォードだった。ホーフォードはシクサーズのロッカールームで「問題が起きている」とメディアに発言。問題の具体的な内容については「チーム内のこと」として言及を避けたが、この発言の直後にジョシュ・リチャードソンが選手だけのミーティングを開いた。
あるアナリストはエンビードとシモンズがお互いに嫉妬しているのが不仲の原因だと主張する。2人のように若いスーパースターが同じチームで共存するのが難しい例は、過去にいくらでもあった。そして多くの場合、どちらかがチームを去る。今のシクサーズの場合、放出されるとしたら可能性が高いのはエンビードだ。
プロ入りして2年間、エンビードは右足の骨折の影響で試合に出場できず、その後も膝や足首などのケガが続いた。今シーズンも1月に薬指の靭帯を断裂して戦線離脱している。シモンズのほうが若く、残りの契約期間も長いため、フランチャイズプレーヤーとして据えるには適している。
メディアによる報道が加熱する中、エンビードが不仲説に関して口を開いた。「数年前からこうなることは予想していた。これまでの記事を調べれば分かることだけど、メディアは僕とベンの仲を引き裂こうとする傾向にある。僕はベンとプレーするのが好きだし、彼には特別な才能がある。僕らは特別なことをやり遂げられると思う」
「ここ2年間一緒にプレーして何も問題はなかった。今年の問題はオフェンスが機能していないことだ」
オフェンスの機能不全は選手の入れ替えが激しいことが一因だ。シクサーズは毎年ロスターが大幅に入れ替わっているためチームに継続性がなく、ケミストリーも生まれない。実際、ここ数年間はシモンズとエンビード以外はほぼ全員の選手が入れ替わっている。
問題の本質は2人の不仲ではなく、彼ら以外の選手、ヘッドコーチ、そして毎年ロスターを変え続けるフロントにあるのではないか。