アイラ・ブラウン

「最後まで全員で戦うことができたのは良かった」

大阪エヴェッサは先週末に敵地で千葉ジェッツと対戦し、第1戦を73-86、第2戦を66-89で2敗を喫した。

特に第2戦ではチームの大黒柱のジョシュ・ハレルソンが第1クォーター終盤で退場になるアクシデントが発生。キャプテンのアイラ・ブラウンも「ハレルソンの退場からリズムが崩れてしまって、すごく難しい試合だった」と振り返った。

それでも大阪は中村浩陸と橋本拓哉によるボールプッシュから、5人が連動したハーフコートバスケを遂行。富樫勇樹の爆発的な活躍により中盤で2桁リードを許したが、全員バスケで点差を縮め、大黒柱が抜けた穴をチームで補った。

だが、その追い上げも長くは続かない。千葉のプレッシャーディフェンスにより大阪はターンオーバーも増え、徐々に集中力を切らして大敗を喫した。

敗れはしたが、収穫もあったとアイラは言う。「自分たちはサイズが落ちてしまったけど、その中でもリバウンドとかオフェンスのボールムーブメントはしっかりできた。苦しい試合だったけど、最後まで全員で戦うことができたのは良かった」

アイラ・ブラウン

「彼らが自信を持ってやれるように引っ張って行きたい」

大阪は現在24勝15敗で西地区2位にいる。首位の琉球ゴールデンキングスとは1ゲーム差と競っており、Bリーグになって初めてのチャンピオンシップ出場が現実的な位置にいる。

しかしシーズン後半戦に入ったところで、主力ポイントガードの伊藤達哉と合田怜がともにケガで長期離脱するなど、チームは危機的状況に陥っていた。そして今週末の2敗により今シーズン初の4連敗を喫した。

アイラもこの現状を「2人の先発ポイントガードを失ったことはすごく痛手だ」と言う。それでも「自分たちが弱いだなんて考えていないよ」とポジティブに話す。それは新戦力への期待値が高いからだ。

「中村はまだ学んでいる段階だけど、すごく良い選手。これからは先発としてステップアップすることが求められている。それに新加入の田原(隆徳)にも期待している。まだ練習があまり一緒にできていないけど、これからの練習で自分たちがどんなコンビネーションをしていけるのか、どういった形で勝って行けるのかを見いだしていきたい」

アイラは今シーズン、平均プレータイム32.1分で12.3得点、7.0リバウンド、3.2アシストを記録してチームに貢献している。スタッツでの貢献はもちろんだが、ベテランとして、そしてキャプテンとしてアイラがチームに与える影響は大きい。

彼は自身の役割を「みんながポジティブでいられるようにすること。自信を持ってプレーをできるようにすることが一番の仕事」だと言う。

「先発が2人ケガで抜けたけど、自分たちにはまだまだ良いメンバーが揃っている。代わりに出てきた選手たちがいかにハードに、自信を持って良い活躍ができるかが大事。そのためにも、彼らが自信を持ってやれるように僕が引っ張って行きたい」

アイラ・ブラウン

「どういった組み合わせがベストなのか考えていきたい」

レギュラーシーズン前半戦を21勝9敗と好調で折り返したが、後半戦では現在9試合を終えて3勝6敗と黒星が先行している。それでもこの状況を打破して、目標の西地区優勝でのチャンピオンシップ出場を果たすためには今以上にチーム一丸になることが必要だと言う。

「勝つためには今まで以上に、選手だけでなくてコーチングスタッフとのコミュニケーションも増えてくると思う。そのためにも選手とコーチが一丸となって、チーム一体になることが大切。自分たちは強いチームなのでこれから前に進んでいきたい」

この連敗を止めて、良いリズムをつかむためにもバイウィーク明けの試合が鍵になってくる。次戦は中地区首位を走る川崎ブレイブサンダースとの対戦で、難しい試合になることは予想される。それでもこの苦境を乗り越えて今後に繋ぐためにも、大阪の『チーム力』が問われる一戦となる。