千葉ジェッツ

4選手が2桁得点を挙げる活躍

千葉ジェッツvs大阪エヴェッサの第2戦は89-66で千葉が勝利した。

互いに序盤から激しいディフェンスを行うことで、得点が伸びずに拮抗した戦いが続く。しかし、第1クォーターの終盤に大阪のジョシュ・ハレルソンが一度に2つのテクニカルファウルを受けて退場になるアクシデントが起こる。

これにより千葉に分があるかと思われたが、大阪は中村浩陸と橋本拓哉が素早いパス回しでズレを作ると、積極的に3ポイントシュートを狙い、大黒柱を失った穴を感じさせないプレーで千葉に対抗した。

それでも、千葉が1点リードで迎えた第2クォーター残り5分、再びコートに戻った富樫勇樹がこの5分間で14得点を荒稼ぎし、千葉が主導権を握った。

一瞬でも前が空けば3ポイントシュートを打ち、スイッチにより生まれたアイラ・ブラウンとのスピードのミスマッチを突いてドライブで得点する。さらにはマイケル・パーカーへのアシストなど、この時間帯に決まったすべての得点に絡む活躍で、千葉が2桁リードを奪った。

このまま千葉のペースで進むかと思われたが、大阪も食らい付く。コートを広く使ってボールを動かし、インサイド陣も連動したハーフコートバスケットを見せ、一時は3点差まで詰め寄った。

それでも富樫の勢いは止まらなかった。大阪に点差を縮められても、連続3ポイントシュートを決め再びリードを広げた。そして富樫だけでなく、17得点を挙げたコー・フリッピンの速攻やドライブなどで追いすがる大阪を突き放した。

千葉は爆発的なオフェンス力だけでなく、試合が進むにつれてディフェンスのインテンシティも上がっていった。そして、8秒や24秒バイオレーションを誘発し、ターンオーバーから24得点を奪うなど、最後まで試合を支配した千葉が完勝した。

千葉ジェッツ

「僕らにはフィニッシャーがいなかった」

敗れた大阪の天日謙作ヘッドコーチは「残念でした」と肩を落とした。大阪は早い段階で大黒柱を失ったが、「第3クォーターの残り2分までは良かったよね」と言うように、チームオフェンスは機能していた。

それでも「千葉のトランジションのところで耐えられなかったのはありました。ターンオーバーも重なったし、僕らにはフィニッシャーがいなかったので、立て直すことができなかった」と、終盤で崩れた原因を語った。

一方、勝利した千葉の大野篤史ヘッドコーチは「ケガ人が多くて厳しい状況の中、下を向かずに全員がチームのために考えてプレーしてくれたおかげで、良い週末になりました」と、振り返った。

「ディフェンスのメンタリティがこの2日間とも落ちなかった。やられてもヘッドダウンせずに、次に何をしなければいけないのかを、タイムアウトだけでなく、試合中も自分たちでコミュニケーションを取って助け合ってくれたことが良かったです」

千葉ジェッツ

「コーの成長は開幕の頃から比べたらすごいものがあります」

この試合で31得点5アシスト2スティールを記録して勝利の立役者となった富樫は「みんなで助け合って、それぞれの持ち味を出して戦えた2試合だった」と、言う。

「もっと競っていた可能性もあった試合展開で、点差を開くことができたのは良かったです。チームとしては相手がスローダウンした時に畳みかけることができたので、千葉らしい勝ち方ができました」

そして、この試合では富樫だけでなく、フリッピンの活躍も目立った。シーズン序盤はチームディフェンスを遂行できないことが多く、プレータイムも多くはなかった。それでも最近ではプレータイムを伸ばし、ディフェンスを理解することで、持ち味の得点力も発揮する試合が増えてきている。富樫もフリッピンの成長をこう語る。

「コーの成長は開幕のころから比べたらすごいものがありますよ。田口(成浩)とコーで全く違うタイプの2人が2番で入れ替わって出てくるところは、相手としては嫌だろうなと思います。彼の活躍はチームにとっても本当に助けになっています」

千葉はギャビン・エドワーズとニック・メイヨ、原修太とケガ人を多く抱えている。そんな状況で西地区の上位を走る大阪に連勝できたことは、チームとしても自信になったに違いない。これからバイウィークに入るが、この勢いを維持して、さらに勝ち星を増やしていく千葉に期待したい。

2月16日のB1 9試合の結果
富山79-80京都
秋田81-67琉球
横浜79-90SR渋谷
新潟70-75A東京
三遠70-75名古屋D
北海道83-99滋賀
千葉89-66大阪
川崎106-74島根
三河75-83宇都宮