川崎ブレイブサンダース

一度は逆転を許すも冷静に課題を修正

川崎ブレイブサンダースvs島根スサノオマジックの第1戦は、85-76で川崎が勝利した。

激しいプレッシャーディフェンスから藤井祐眞が連続でボールを奪い、それを速攻に繋げるなど、序盤は川崎のペースに。ハーフコートオフェンスでもピック&ロールやキックアウトでズレを作ると、自分たちのリズムで3ポイントシュートを放ち、開始5分で11点のリードを奪った。

それでも、ディフェンスを立て直した島根に反撃を許した。島根の河合竜児アソシエイトコーチが「ピック&ロールのところでイージーなシュートを打たれていたので、そこを修正しました」と試合後に振り返ったように、川崎のスクリーンに対してスイッチで対応していたが、途中からファイトオーバーすることで川崎のリズムを崩していった。

さらにディナイディフェンスを厳しくし、インサイドもダブルチームで守った。こうしてタフショットを打たせることに成功すると、速攻などで連続7得点を奪い、山下泰弘の3点プレーとなるバスケット・カウントで逆転した。

その後はしばらく拮抗した戦いが続いたが、川崎は藤井と辻直人によるトランジションオフェンスから主導権を奪い返す。島根のダブルチームの裏を突き、フリーになった長谷川技や大塚裕土の3ポイントシュートで点差を広げていく。さらには藤井からジョーダン・ヒース、辻からニック・ファジーカスへの連続アリウープも成功し、第3クォーター終了時点で12点のリードを奪った。

島根もこの試合で22得点を挙げたブライアン・クウェリを中心に得点を重ねるが、ディフェンスのインテンシティが最後まで落ちない川崎の牙城を崩せなかった。

川崎はファストブレイクポイントで21-13と上回り、点差を詰められても慌てず自分たちのリズムで試合を進めた。こうして、2桁前後のリードを最後まで保ち、危なげなく勝利を手にした。

敗れた島根の河合アソシエイトコーチは「第1クォーターでピック&ロールへのディフェンスが準備していた通りにできなかった。そこで簡単に得点を与え、追いかける展開になったしまったことが良くなかった」と、悪かった序盤のパフォーマンスを悔いた。そして、「川崎さんの2ポイントシュート成功率69.7%は高すぎます。ファストブレイクからも21得点と走られたので、第2戦ではそこを修正してきたい」と、課題を語った。

川崎ブレイブサンダース

「勝ちきることができたのは、チームとして成長しているから」

この試合で18得点3リバウンド8アシスト7スティールを記録した藤井は「スタートからエナジーを出してチーム全員でやるべきことをやれていて良かったです」と、試合を振り返った。

「反省点もあるけど、最後まで勝ちきれたのは一人ひとりがハードにやった結果。増田(啓介)もトランジションでバスカンを決めて、チームに勢いを与えてくれました。交代で出た選手も一人ひとりがチームのために戦えたから、こういう結果になったと思います」

それでも「中盤では島根に走られたり、オーバーヘルプに寄りすぎて3ポイントを簡単にやられてしまったりと反省点も多いです」と課題に目を向け、逆転を許した場面をこう振り返った。

「相手がニックのところをオーバーヘルプで止めてきたり、いつもと違うディフェンスをされて良い判断ができませんでした。そのため僕たちはシュートで終われなかったり、ディフェンスリバウンドのトランジションなど、一番やられたくないことをされてしまいました」

11月の島根との対戦は1勝1敗の痛み分け。その敗れた試合では、10点前後のリードを保ちながらも最後に逆転された。藤井は「11月の試合と似た雰囲気になりそうでした。今日はそうならず勝ちきることができたのは、チームとして成長しているからだと思います」と、手応えを語った。

最後までディフェンスのインテンシティを落とさず、自分たちのリズムでバスケットを遂行できたことは自信に繋がったはず。課題のない100点満点の試合など存在しないが、それでも課題の多い試合だっただけに、第2戦では100点満点に限りなく近いパフォーマンスを見せてほしい。

2月15日のB1 8試合の結果
北海道76-77滋賀
千葉86-73大阪
横浜101-90SR渋谷
三遠64-79名古屋D
秋田76-80琉球
新潟41-69A東京
富山75-73京都
川崎85-76島根