「これでもか、というぐらい貪欲に」
千葉ジェッツは先週末に名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対戦。第1戦は落とすも第2戦では87-83で勝利した。
田口成浩は第2戦で13得点3リバウンドを記録。中でも3ポイントシュートは4本中3本を成功させて勝利に貢献した。
第1戦の敗戦を引きずるかのように、試合開始5分間は千葉がビハインドを背負っていた。それでも田口の3ポイントシュートを皮切りに千葉は勢いに乗り、第1クォーターで22-13と大量リードを奪った。
田口はこの試合で2020年になって初めて2桁得点を記録するなど、好調とは言い難い状況が続いていた。そして直近2試合ではプレータイムもともに約13分と伸びず「最近、確率があまり良くなくてもどかしさがありました」と振り返る。
「昨日もプレータイムがなかなかもらえずチャンスがなかったので、今日はチャンスがあったら思いきりやろうという気持ちで臨んだ結果が数字にも表れました。確率良く決めて役割も全うできましたが、これで満足したらまた落ちてしまうので、これを継続しつつ『これでもか』というぐらい貪欲にやっていきたいです」
しかし、この試合では3ポイントシュートの面では手応えを得たが、他の部分での課題はまだあると言う。
「シュート確率がすごく悪いわけではないですけど、決めるタイミングがまだ自分の中でスッキリしない部分があります。キャッチ&シュートの部分は良いかもしれないけど、オンボールのところでもっと味方を生かしたり、自分でズレを作ってシュートまで行くプレーができればアテンプトも増えてくると思うので、そこを意識していきたいです」
「チームが良い時はもちろんですが、悪い時にいかに声を出すか」
千葉は今節で1勝1敗となったが、それまでは10連勝をするなどチームは勢いに乗り、勝率も7割を超えて激戦の東地区で3位に位置する。開幕当初は新戦力が噛み合わずに黒星が先行していたが、徐々にチームケミストリーを築き結果に繋がっていることに「チームの変化は感じています」と、田口も手応えを得ている。
「シーズン序盤はプレーの中で一人ひとりの個の力が孤立していました。チームとして一体感がなく、なかなか波に乗れない感じがありました。今は一人ひとりが役割を全うしつつチームとして戦おうという意識が強いので、点が線になってきて強さが出てきていると思います」
田口と言えばコート上では激しいディフェンスや3ポイントシュートでチームに勢いを与えるが、ベンチにいる時でも常に声を出して仲間を鼓舞している姿が目立つ。本人も「それは自分の役割でもあります」と語る。
「チームが良い時はもちろんですが、悪い時にいかに声を出すかということを大野(篤史ヘッドコーチ)さんも大切にしています。これからはタフなスケジュールになって負けられない試合が続きますが、この勢いは止めてはいけないし、ギャビン(エドワーズ)が帰ってくるまで一人ひとりがチームのために頑張っていけたらと思います。悪い時にいかに声を出してチームを鼓舞していけるかを、今後も注目してほしいです」
コート上では迷いもあったが、この試合ではそれを払拭する活躍を見せた。そして、どんな時でも常にチームを鼓舞してくれる田口がいることは千葉にとっても心強いに違いない。『らしさ』を取り戻した千葉が、目標のチャンピオンシップホーム開催に向けて、シーズン後半戦も勝利に貪欲に向かって行く姿に注目だ。