前日のリベンジに加え、川崎から今シーズン初勝利
宇都宮ブレックスvs川崎ブレイブサンダースの第2戦。前半で2桁のビハインドを背負うも、後半にディフェンスの強度を一段階上げ、最後まで強気なプレーを貫いた宇都宮が76-67で勝利した。
パスの受け手へのディナイを徹底した宇都宮は最初のポゼッションで24秒バイオレーションを誘発し、比江島慎が2スティールを記録するなど、堅いディフェンスを見せた。
それでも、ショットクロックギリギリまでアタックとパスを繰り返し、シュートチャンスを生みだした川崎は5本中4本と高確率で3ポイントシュートを沈めて対抗。
互角の展開だったが、川崎の佐藤賢次ヘッドコーチが「前半はうちのペースでゲーム運びができました」と語ったように、第2クォーターに入ると川崎の時間帯に。
オフィシャルタイムアウトを迎えた時点でチームファウルが5に到達した宇都宮を尻目に、川崎はフリースローで確実に加点。ディフェンスリバウンドの意識が高く、宇都宮の強みであるオフェンスリバウンドを封じ、逆にトランジションから得点を重ねた。そして、ニック・ファジーカスがタフショットに見えるシュートを難なく沈め、44-34と2桁のリードを奪った。
「アタックするメンタルが常にあった」
だが、佐藤ヘッドコーチが「後半、相手が一段ギアを上げてきたところで、相手の勢いに飲まれる時間帯が長く続いてしまった」と語り、宇都宮の安齋竜三ヘッドコーチが「ディフェンスでボールプレッシャーの強度を保てたことと、アタックするメンタルが常にあったところからこっちの流れになった」と語ったように、宇都宮の逆襲が始まった。
ここまでジョーダン・ヒースとファジーカスが待ち受けるインサイドを攻めあぐねていた宇都宮だったが、ジェフ・ギブスを筆頭にペイントエリアへのアタックを増やしそれを得点に繋げていった。「それをやった結果、周りが空いたり、良い形に繋がるオフェンスが長くなった」と安齋ヘッドコーチも言うように、ディフェンスがインサイドに収縮したことで外角も当たり始め、リズムが生まれた。
集中力を切らさなかった宇都宮は渡邉裕規の3ポイントシュートで締め、2点差まで詰め寄って最終クォーターを迎えた。
そして、竹内公輔がオフェンスリバウンドからゴール下を決めて同点に追いついたが、宇都宮の勢いは止まらなかった。ギアが一段上がったディフェンスで簡単にボール運びすらさせず、連続でターンオーバーを誘発し、ギブスのアタックなどで10-0と一気に走った。
その後、ファジーカスの個人技を止められず一時逆転を許したが、そのファジーカスが残り3分半で個人4つ目のファウルを犯したことで失速。
遠藤のスティールからのワンマン速攻やライアン・ロシターのオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスポイントなど、ここ一番で宇都宮の強みが発揮され、接戦に終止符を打った。
インサイドをこじ開けたことが勝因に
ペイントエリアでの得点が前半は12得点と伸びなかったのに対し、インサイドへのアタックを増やした後半は28得点と伸びた宇都宮は後半を42-23と圧倒して勝利を納めた。
佐藤ヘッドコーチも「ギブス選手やロシター選手にペイントにアタックされてしまったのが一番」と、インサイドでの失点を敗因に挙げた。
天皇杯での敗戦を含めると、宇都宮は川崎に対し4連敗中だった。その中で、前半の2桁のビハインドを跳ね返しての逆転勝利は価値が大きい。安齋ヘッドコーチも「チーム一丸で戦った感覚がある。『これがうちのチームだな』っていう試合ができたので今後に繋がる」と、満足感を得たようだ。
前日のリベンジを果たした宇都宮は川崎、アルバルク東京とともに28勝9敗で並んだ。チャンピオンシップを見据えた戦いはこれからさらに激化していく。
2月9日のB1 9試合の結果
滋賀83-67三遠
京都68-85SR渋谷
島根82-93新潟
琉球60-74富山
北海道92-100三河
宇都宮76-67川崎
千葉87-83名古屋D
A東京95-60横浜
大阪64-88秋田