「みんなが一生懸命やったのに最後の最後で自分がダメだった」
「みんな、出だしから自分たちのバスケットができていました。インテンシティを高く保って、エナジーもしっかりあって、最後までそれをやり通せたとは思います。ただ、今日の試合に関しては完全に自分の不甲斐なさがあからさまに出てしまいました」
2月2日、延長までもつれこむ接戦となった大阪エヴェッサ戦を終えて、横浜ビー・コルセアーズの橋本尚明はこう振り返った。
横浜は先週末の大阪戦を1勝1敗で終えた。第1戦はビハインドを背負っていたが後半で逆転し75-70で勝利。しかし、第2戦では前日とは逆の立場になり、前半で最大13点のリードを奪うも、後半でジワジワと点差を縮められ延長の末85-92で敗れた。
76-76で迎えた第4クォーターの残り6秒、横浜はディフェンスリバウンドを取ると生原秀将が前を走る橋本へパスを出した。橋本はブザーとともに3ポイントシュートを放ったが、リングに嫌われ40分間で決着をつけることができなかった。
「最後の3ポイントシュートも含めて、この2戦で自分の積極性が足りなかったところがあります。相手もしっかり分析してきていて、そこに対して自分がアタックできなかったことがスタッツにも出ています。結果がすべてだから、そこは受け止めて、もう一回練習からしっかりやっていかないといけません」
「ディフェンスに調子が良い、悪いはないのでいつも通りやっているだけです」と言うように、得意のディフェンス面での貢献は光った。それでも、第1戦が無得点、第2戦では2得点とオフェンス面で貢献できず、周りのチームメートのように積極性を出せなかったことを橋本は深く反省している。「みんなが一生懸命やったのに最後の最後で自分がダメだったというのが、今日の試合では出てしまいました。そこは言い訳せずに自分自身受け止めて練習して、今後はこういうことがないようにしていきます」
「ここから絶対に僕たちは這い上がれる」
福田将吾ヘッドコーチが指揮を執ってからの横浜は2勝5敗。しかし、敗れた5戦とも1、2ポゼッション差以内での決着で、レギュラーシーズン前半戦に比べると確実に戦えるチームへと成長している。
「ヘッドコーチも新しくなって、もう一度自分たちのバスケットを見つめ直しました。横浜のスタイルを体現しようと、コミュニケーションを取って練習に取り組んでいるのが結果に出ています」と、橋本は言う。
さらに橋本は指揮官交代により好転があったことも認めている。「福田ヘッドコーチは『全員バスケ』をコンセプトに掲げていて、タイムシェアもしっかりしているし、全員にチャンスが与えられています。タイムシェアすることで後半のしんどさも違いますし、今の横浜は後半に追い上げたりすることも多くなっていて、そこはヘッドコーチの采配のおかげだと思います。それにルーズボールやリバウンドとか50-50のボールは自分たちのモノにしようとずっと言っていますが、あらためて共通理解を持ってやれているので結果にも繋がっていると思います」
横浜は現在9勝25敗と黒星が大きく先行しているが、「僕たちは誰一人としてあきらめていないです」と話し、ファンの後押しを欲している。
「誰もネガティブなことを言わないし、ここから絶対に僕たちは這い上がれると思うし、強いチームにも絶対に勝てると思っています。時には上手くいかないこともあるかもしれないけど、福田ヘッドコーチの全員バスケットを僕たちが全力で体現していくので、ブースターさんも一緒に戦ってほしいです」
西地区首位を走る大阪と互角の戦いを見せたが、橋本はその手ごたえよりも自身の不甲斐なさを痛感した。勝利に貪欲な橋本が成長を続ければ、指揮官交代で上向きつつある横浜はさらにあなどれないチームへと昇華するはずだ。
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