ディアンジェロ・ラッセル

「ストレスの対処法を学ぶのは選手次第だ」

2月3日のウィザーズ戦を控えウォリアーズのヘッドコーチ、スティーブ・カーはトレードが噂されるディアンジェロ・ラッセルについて語った。

「彼の立場になって話すことは難しいが、選手たちにはいつもこう言っている。僕らは子供の頃からの夢をかなえているのだから本当に恵まれている。選手やコーチとして働くことで多大な恩恵も受けられるが、ネガティブな側面もある。ブーイングをされたり、トレードに出されたり、ケガをしたりすると多大なストレスを受ける。コーチや球団運営のスタッフは選手がストレスと上手く付き合えるようにサポートする必要がある。ただ、ストレスの対処法を学ぶのは選手次第だ。ストレスに向き合うことはNBAの選手である一部なんだ、とね」

ラッセルは今シーズン開幕前に、ケビン・デュラントのサイン&トレードでネッツから移籍して来た。ここまで32試合に出場し、1試合平均23.8得点、6.3アシストを記録してオフェンスの中心的な役割を担っているが、加入が決まった当初からその立場は微妙なものだ。

ウォリアーズは今でもステフィン・カリーとクレイ・トンプソンの『スプラッシュブラザーズ』のチームであり、ラッセルはあくまで彼らの不在を繋ぐための存在。3月にはカリーが復帰し、来シーズンにはクレイが戻って来る。そうなれば、ラッセルがどれだけ活躍していても、その序列は下がる。また少なくとも今シーズンは、もうプレーオフ出場の可能性は乏しく、活躍したところでチームへの貢献に直結しないもどかしさがある。

またサラリーキャップの事情もある。ウォリアーズはすでにカリー、クレイ、ドレイモンド・グリーンに高額の年俸を払っており、『スプラッシュブラザーズ』が復帰すればセカンドユニットに回るであろう選手を、ラグジュアリータックスを上乗せしてまでキープする価値があるかは判断が分かれるところ。カリー、クレイ、ラッセルの共演は楽しみではあるが、ケミストリーを構築する上で誰かはプレースタイルの面で犠牲を払うことになるだろう。また、序列が下がることによるモチベーションの低下は必ずあるもので、不安要素は尽きない。

そんな状況下でラッセルはプレーを続けているが、ウォリアーズは決断の時を迎えている。トレードデッドラインまでにどんな決定が下されるのか、注目したい。