[スペシャル対談]篠山竜青×富樫勇樹 『2020』東京オリンピックへの挑戦、世界を見据えるバスケ日本代表の司令塔

2017/11/20
日本代表
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文=鈴木健一郎 写真=鈴木栄一 取材協力=スポナビライブ

11月24日と27日に行われるワールドカップ1次予選のフィリピン戦とオーストラリア戦に向けて強化合宿を繰り返し、準備に余念のないバスケットボール日本代表。その合宿が行われているナショナルトレーニングセンターで、篠山竜青と富樫勇樹の2人に話を聞いた。

どちらもポイントガード、攻守に起点となりチームのペースをコントロールする司令塔だ。コート上の監督として、フリオ・ラマスのバスケットボールをよく知る存在でもある。その2人に日本代表の現状とワールドカップ予選に向けた意気込みを語ってもらった……のだが、サービス精神旺盛な2人のキャラクターが大いに発揮され、笑いの絶えない対談となった。

篠山「こいつは悪意があるタイプです」

──まずは篠山選手から、富樫選手がどんなプレーヤーなのか紹介していただけますか。

篠山 説明する必要がないんじゃないですか。日本のバスケット界では田臥(勇太)さんに次ぐ知名度もありますし、華やかなプレーで『リーグの顔』と言っていい存在だと思いますよ(ドヤ顔で)。

富樫 見てください、この顔(笑)。

篠山 スピード、クイックネス、あとシュートが入るので得点力もすごいですし、あのスピードの中で40分間維持できるヘアースタイルも含めて、やっぱり日本バスケット界を引っ張っていくプロフェッショナルじゃないかと思います。

──では攻守を入れ替えて、富樫選手から見た篠山選手はいかがでしょうか。

富樫 プレーに関してはチームがその時に必要としていることをすべてやってくれると。得点が必要な時は決めてくれるし、ちょっとチームが勢いない時はハッスルプレーだったり、そういうスタッツに残らないようなところでも会場を湧かせたり、チームに必要にしていることを、毎回コートにいる時はしている印象です。キャラクター的には、Twitterではちょっと好感度を意識しすぎかなとは思うんですけど、そこはまあ置いといて、言葉のセンスがあるすごい面白い人だと思います。

篠山 思ったことをつぶやいてるだけなので、別に好感度とか……。

富樫 そんなことないと思うんですけどね。たまたまチラッと見てたら、書いて打って、全部消しても一回打って、を3回くらい繰り返してたような気がするんだけどな。

篠山 あーあ(笑)。そういうのは絶対に言っちゃダメ。営業妨害(笑)。

──コート外での富樫選手はどんなキャラクターですか?

篠山 もう見たまんまです。少年? 良い意味でも悪い意味でも少年のような、こいつはこいつであざといですよ。「俺だったら許してもらえるでしょ」というのを分かった上でやっているので、悪気があるタイプです。そういう人に知られたくないことを平気で言うし。

──でもTwitterの件は否定はしないんですね。

篠山 嘘はつきたくない(きっぱり)。

富樫「どういう守り方をしてもうまく攻めてくる」

──プレーの話に戻ります。代表の練習でもBリーグの試合でも2人がマッチアップする機会は多いと思いますが、お互いを止めるために意識しているようなことはありますか?

篠山 全部が全部は止められないので、何をやらせたくないかをチームではっきりさせることが大事かなと思うので、「これはやられてもいいから、これは絶対にやらせたくない」というところを全員で共有してやることだと思います。

──トータルでやられている印象か、そんなにやられていない印象か、どちらですか?

篠山 やられてる印象じゃないですか。天皇杯とかでやられちゃってるので。憎たらしいです。

──富樫選手はいかがでしょうか。

富樫 マッチアップする時……。川崎はファジーカスというバケモノがいるので、そことのピックなり、いろんな形でハンドオフだったり。天皇杯は勝ったんですけど、その前に船橋のホームで2連敗してるんです。その時はそこのピックだったりいろんなボール回しからやられた印象だったので。どう守ると言うと、なんか無理ですね。

篠山 おお(拍手)。良いこと、それ。

富樫 一生懸命つくしかないです。形で動くこともあると思うんですけど、ディフェンスを見ながらプレーするのがうまいのでどういう守り方をしてもうまく攻めてくるので守りづらいところはありますね。

篠山 気持ちいいですね。

──篠山選手は「見ながら判断できるのが僕の強み」と言っていましたが、まさにそれですね。

篠山 そういうことを言えるようになってきたよね。成長ですよねだいぶ、彼自身も。

富樫 ありがとうございます(笑)。

篠山「ボールと人をたくさん動かしたいバスケット」

──日本代表になる前の段階で、日本代表というものにどんなイメージを抱いていましたか?

篠山 もちろんやるからには呼ばれたいと思う存在でしたし、もちろんずっと目標とする場所ではありました。

富樫 一回育成枠みたいな感じで高校3年生くらいの時に一回呼んでもらってるんですけど、その後はあんまり意識はしていなかったかなと。特にbjや海外にいた時はもうあまり代表という意識はなかったかなと思います。

──それが今は代表選手になり、重い役割のところに2人はいます。代表でプレーする重みとか責任感はどう受け止めていますか?

篠山 どうなんすか、ご教授ください。

富樫 すごく感じてます、それは。東京オリンピックに出るか出ないかによって、Bリーグの今後の発展にもかなり影響すると思いますし。今の自分たちも含め子供たちもそれによってかなり変わってくると思うので。今はこうやって代表にいるのでそこは責任感を持って、オリンピックに出場しなきゃいけないと思っています。もちろん自分のためもそうですけど、自分の周りだったり子供たちのためにも、何が何でも出ないとなと思っています。

篠山 その通りです。僕自身、定着しきっているとはまだまだ思ってなくて、毎回毎回これが最後かもしれないという気持ちで代表合宿に来てやっています。長年勝てていないので、代表の中に入ってみて初めて外からのいろんな声というのが聞こえてきて、すごく大変なグループの中にいるんだなっていうのはあらためて感じました。でもやれるのは中の人間だと思うので、何を言われてもしっかりこの代表のグループの中にい続けて、結果で答えられれば。そう思いながらやっているので大変ですけど、その分充実してますし、グループの中の人間たちがしっかりまとまれていると思うので、そういう意味でみんなで重圧を受け止めてやっていきたいということですね。

──まだファンは『フリオ・ラマスのバスケ』がどんなものか分かりません。ポイントガードの2人から『ラマスのバスケ』を見るポイントを教えてください。

篠山 ボールと人をとにかくたくさん動かしたいバスケットかなと思います。例で挙げるとすれば、ラマスになる前のルカ(パヴィチェヴィッチ)ヘッドコーチだと、ピック&ロールから2対2を何度も何度も繰り返してアドバンテージを作るヘッドコーチでしたが、ラマスヘッドコーチに関してはもちろんピック&ロールも大事なんですけど、なるべくドリブルの少ないパスで、あとはボールと人がどんどん動いてノーマークを作るっていうセットなので、オフェンスに関してはすごく流動性があります。そういうところが見てて面白い部分かなと思います。ディフェンスに関しては富樫さんがバシッと。ディフェンスの富樫がね。

富樫 もうすごいイジってるそれ(笑)。すごくイジってるけど、ディフェンスは常に激しさだったりっていう部分を求められているので、そこを見ていただければと。特に竜青さんのボールへの執着心は素晴らしいものがあるので。

篠山 そうそうそう!

富樫 そういうところをチーム全員が出していかないとなと思っています。

富樫「たくさんの人に応援してもらって勝ちたい」

──それではフィリピン戦、オーストラリア戦への意気込みをお願いします。

篠山 いよいよワールドカップ予選が始まります。特に初戦のフィリピン戦はホームでやれるということで、非常に楽しみにしています。初戦のフィリピン戦で勢いに乗ってオーストラリア戦に臨むのが一番良いと思うので、是非たくさんの方に見に来ていただいて、日本のバスケットボールの後押しをしてほしいと思います。よろしくお願いします。

富樫 11月24日にワールドカップ予選フィリピン戦があるんですが、東京オリンピックにつながってくる大会、試合ですので、是非たくさんの人に応援してもらって勝ちたいと思います。会場に来れない方はスポナビライブでも放送するので、是非応援をお願いします。