八村塁

スタメン出場で26分プレー、試合勘に問題なし

ウィザーズの八村塁が1カ月半ぶりに戦線復帰。ウォリアーズとのホームゲームにスタメン出場した。

八村は昨年12月17日の試合中に鼠径部を痛め、当初の想定よりもケガが長引いた。それでも試合開始直後にゴール下に飛び込むことでブラッドリー・ビールからのパスを呼び込み、迷わずジャンプシュートを決めてウィザーズに先制点をもたらすと、動きながらパスを受けてそのままミドルジャンパーも沈めて、試合勘に問題がないことをプレーで示した。

しかし、ウォリアーズの対応も早かった。八村に対してエリック・パスクホールが張り付き、そこをかわしてもドレイモンド・グリーンが素早くカバーに入ることでシュートに持ち込ませない。

ウォリアーズは2日前のキャバリアーズ戦で3ポイントシュート18本を決めており、引き続きシュートタッチが好調。ウィザーズがビールを中心に選手とボールを動かしてインサイドを突くのに対し、ウォリアーズは3ポイントシュートを第1クォーターから7本成功させて点を取り合う展開の中でリードを作っていく。試合が進むにつれてウィザーズの攻めはビールだけがアタックする単調なものになり、攻守にバランスの取れたウォリアーズとの差が開いていった。

86-99で迎えた最終クォーター、ウィザーズは八村をコートに戻して点差を詰めにかかるが、好調のウォリアーズは止まらない。デイミオン・リーがチーム14本目の3ポイントシュートを沈め、パスクホールが2人が守るゴール下に切り込んでバスケット・カウントをもぎ取る。

それでもビールの8連続得点でビハインドを1桁に詰めた場面、八村はスティールから速攻の場面でボールを託されるが、ゴール下で待ち構えるグリーンをかわせず得点を奪えない。その後にベンチに下がった。

恐らくはケガ明けということで無理をさせない予定だったのだろうが、その後もビールの得点ラッシュが続き、残り3分半で7点差と逆転の可能性が出てきたことで、再び八村が投入される。しかし、この勝負どころでウィザーズはターンオーバーを連発してしまい、逆に突き放されて最終スコア117-125で敗れた。

ブラッドリー・ビールは43得点6アシスト、オールスター選出から漏れたことの是非をあらためて問うパフォーマンスを披露。チーム全体のシュート確率も良かったのだが、あまりにもビールに依存しすぎるオフェンスは大きな課題だ。一方のウォリアーズはアレック・バークスが5本の3ポイントシュートを含む30得点を記録し、他にも2桁得点が5人とバランスの良さが目立った。

八村は復帰戦で26分のプレータイムを得て、11得点8リバウンドを記録。試合がもつれた終盤に起用されたことは、チームからの変わらぬ信頼を表すものだった。フィールドゴール8本中5本と高確率で決めているが、本来であればもっとプレーに絡みたいところ。ビール依存から脱却する意味では、アウトサイドではダービス・ベルターンス、インサイドでは八村がより積極的に、主体性を持って攻撃に絡むことが必要になる。それでも、八村にとって長期離脱明けの試合として及第点以上の出来だったことは間違いない。