文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

終盤に目立った横浜インサイド陣の活躍

横浜ビー・コルセアーズvs富山グラウジーズ第2戦。前日は延長の末に敗れた横浜が、ハシーム・サビート・マンカ、ウィリアム・マクドナルドの攻守に渡る活躍で雪辱を果たした。

序盤はホームの横浜が早い展開に持ち込みペースをつかむ。途中出場の田渡凌がアグレッシブなプレーを見せ、スティールから速攻を決めるなど8得点を挙げる。またディフェンスではインサイドを固めて4つのターンオーバーを誘発し、24-15と先手を取った。

だが、第2クォーターに入るとドリュー・ヴァイニーが2本の3ポイントシュートを含む12得点を挙げ、富山が39-40とクロスゲームに持ち込む。それでもデクスター・ピットマンがテクニカルファウルをコールされ3ファウルとなるなど、後半の戦いに不安を残した。

後半は横浜のマクドナルドとピットマンがインサイドで激しい攻防を繰り広げ、互角の戦いが続く。それでも第3クォーター残り45秒でピットマンが4ファウル目を犯しファウルトラブルに陥り、細谷将司が3ポイントシュートを決めた横浜が優位に立った。

59-57と横浜がリードして迎えた最終クォーターの中盤、高島一貴がペリメーターのシュートと速攻でリードを7点に広げる。また高島はヴァイニー相手のディフェンスでも、ミスマッチながらファウルをうまく回避しリングから遠ざけるなど健闘した。

試合を決めたのはインサイド陣の力の差だった。残り4分、川村からのパスを空中で合わせたマクドナルドがバスケット・カウントをもぎ取り、ピットマンをファウルアウトに追いやり、インサイドが手薄になった富山を攻め立てた。サビートが川村との連携からアリウープを決め、残り1分12秒にもオフェンスリバウンドからゴール下での得点を挙げ、77-70となったところで勝負あり。その後のファウルゲームを乗り切った横浜が83-78で勝利を手にした。

サビート&マクドナルドで40点

敗れたミオドラグ・ライコビッチヘッドコーチは「横浜のほうがサイズが大きく、オフェンスリバウンドを非常に多く取られてしまった(オフェンスリバウンドは横浜の14に対し富山は8)。それでもディフェンスでもう少し強度が高いものをできれば良かった」と敗因を語った。特に勢いに乗せてしまった最終クォーターの連続アリウープについては「あれだけ何度もダンクを決められると難しい。ファウルをしてでも止めるべきだった」と悔やんだ。

古田悟ヘッドコーチは「悪かったところもあったが入りからうまく行き、逆転されていつもだったら畳みかけられて10点差になるところも我慢できた。特にインサイドに起点が2つできたことが大きいです。インサイドの2人で40点ですから」と勝因を語った。指揮官が特に称えたのは高島の奮闘だ。「ディフェンスで頑張って、要所で走ったりカットしたりしたプレーというのは、目立たないですけど好きですし、今後もディフェンスの起点としてプレーしてほしい」

チームの得点源であるジェフリー・パーマーを欠きながら、83点と課題である得点力不足を感じさせないオフェンス力で勝利を手にした横浜。マクドナルドの加入によってインサイドに安定感が出た今、巻き返しに期待がかかる。