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直近の8試合で6敗のチームを雑音が取り巻く

開幕直後こそ3勝1敗と上々のスタートを切ったキャバリアーズだが、その後は8試合で6敗。まだシーズン序盤とはいえ、結果だけでなく試合内容にも見るべきものがなく、ここ3年連続して東カンファレンスを制してきたチームにとっては受け入れ難い状況だ。特にひどいのはディフェンスで、失点を2桁で終えたゲームは開幕からの2試合のみ。平均114失点はリーグ28位、その下にはネッツとサンズしかいない。

昨シーズンからメンバーの多くが入れ替わっており、ケミストリーの構築に時間がかかるのは当然だ。しかし、それはどのチームにも言えること。ここまで不振が長引くと、チームを雑音が取り巻くことになる。キャブズのケースで言えば、股関節の負傷によりリハビリを続けているアイザイア・トーマスに『救世主』としての期待が高まり始めたのだが、リーダーであるレブロン・ジェームズは、この意見に苦言を呈している。

レブロンは11月9日のロケッツ戦を前にこうコメントしている。「IT(トーマスの愛称)の復帰がチームを救うとは思わない。彼には時間をかけて万全な状態に仕上げてもらいたい。一人の選手だけに頼るなんて間違っている。ITであれ、自分であれ、トリスタン(トンプソン)であれ、誰かがいなくなったら他の選手がステップアップしないといけない」

トーマスの復帰時期は分かっていないが、最短で12月下旬に復帰できる可能性もあると言われている。レブロンは、「ITはチームが求めているプレーをするのに重要な存在」と前置きした上で、こう続けた。「彼にできることは分かっているけれど、彼はまだチームでプレーしていない。プレッシャーをかけるわけにはいかないよ。彼が重圧を好む選手であってもね」

実際、トーマスの復帰時期は早くても12月下旬。それまでトーマスの復帰を待つだけで手をこまねいているわけにはいかない。ただ、そのロケッツ戦にも敗れた。

キャブズしかり、4連敗を喫したサンダーしかり、複数のビッグネームが加わったチームが機能する形を見つけるには、やはり相応の時間がかかるのだろう。しかし、勝率5割にも届かない状況が続けば、様々な憶測が出てくる。ファンを我慢させるだけの材料を提供できていないのが今のキャブズだ。このまま不振が続くとは思わないが、できる限り早く復調のきっかけをつかむ必要がある。