川崎ブレイブサンダースの大黒柱ニック・ファジーカス「ベストのバスケットボールを求められるのは5月だ」

川崎ブレイブサンダースの大黒柱ニック・ファジーカス「ベストのバスケットボールを求められるのは5月だ」

2020/01/29

ニック・ファジーカス

「エナジーがあったけど、それを正しく使えていなかったかもしれない」

川崎ブレイブサンダースは1月25日、26日に京都ハンナリーズとホームで対戦。25日は 78-82で敗れ、さらに中心選手の一人ジョーダン・ヒースが数週間の離脱となるケガを負ってしまう。しかし、この苦境で迎えた翌日の試合は、序盤から京都を圧倒して94-51と快勝した。

この大きな変化について川崎の大黒柱ニック・ファジーカスは「昨日とエナジーレベルが違ったかもしれない。昨日もエナジーがあったけど、それを正しく使えていなかったかもね」と振り返る。とはいえ、ここまで真逆の展開になるとは思っていなかったと正直な気持ちも明かす。

「負けた後の翌日に40点差で勝てたのは、自分でもなぜなのか理解できていない。だから昨日と何が違ったのか、その理由をピンポイントで見つけるのは難しいと思う」

レギュラーシーズンの1試合という限定的な状況であれば、例えばNBAの世界においても中心選手を欠くチームが、万全の状況であるチームを撃破するのは決して珍しいことではない。バスケットボールにおいては、ありがちなことでもあり、ファジーカスもこう語る。

「僕らもジョシュア・スミスが離脱して、外国籍が1人だった時の富山に負けている。えてして戦力が揃っていないチームの方が、より試合にフォーカスできるのかもしれない。なぜかは分からないけど、確かにバスケットボールではこういうことが起こる」

ニック・ファジーカス

「自分たちにプレッシャーをかけることはない」

これで連敗を止めた川崎だが、29日には復調してきているシーホース三河と対戦し、さらにアルバルク東京、宇都宮ブレックスと厳しい日程が続く。もちろんすべての試合で勝利を追い求めているのは大前提としてある。だが、ファジーカスはまだシーズン中盤であり、ここで結果に一喜一憂すべきではないと冷静だ。

「まだシーズン中盤だし、自分たちにプレッシャーをかけることはない。天皇杯の戦いで周りの期待がより高まったところでの連敗と調子を落とし、そこから立て直しているところだ。開幕当初はメンバーが万全ですべてが順調だったけど、今は違う。そして今はベストのバスケットボールを、どうしてもしなければいけない時期ではない。それが求められるのは5月だ」

このようにチーム状況について語るファジーカスだが、マティアス・カルファニに続き、ジョーダン・ヒースまで離脱し、特にビッグマンが駒不足でファジーカスにかかる負担はより大きくなる。1試合35分以上の出場も珍しくないフル稼働が続いていることで、彼のコンディションを心配する声も出ている。

それでも本人は問題がないことを強調し、34歳となった今も20代の頃と変わらない力を持っていると言う。「これまで『ニックを多くの時間、使ってはいけない。彼は故障してしまう。ニックはもう年をとっている』といった声も聞こえてきた。天皇杯で調子を取り戻して本来の力を出せていて、自信を取り戻せている。もう若くはないけど、若い頃と変わらないところを見せたい」

ニック・ファジーカス

「健康であり続け、チームのためにプレーを続けている」

先ほど本人も語ったように5月にベストな状態に持っていくことを考えると、ロードマネジメントとして、どこかで彼を休ませることも一つの妥当な選択だ。

しかしファジーカスは、「チームの状況は理解している。それにコーチとよく話していて、練習の内容でロードマネジメントをしているからね」と、この過密日程の中での長時間のプレーも乗り切れると自信を見せる。

今やリーグ屈指の観客動員を誇る川崎ファンに、チームの大黒柱として自分の全力プレーを見せ続けたい。そのプロアスリートとしての高い意識と譲れない矜持がある。

「健康であり続け、チームのためにプレーを続けていることにプライドを持っている。ロードマネジメントで言うならば、僕はレブロンと同じ考えだ。出場可能なコンディションであるならば、試合には出たい」

中地区首位を独走状態の川崎だが、リーグ制覇を考えるとセミファイナルまでのホーム開催権を得られる第2シードの獲得には予断を許さない。

ただ、「勝ちたいけど、正しいプレーをすることが重要。それで勝つこともあれば、負けることもある」とファジーカスが言うように、結果に対する重圧を自分たち自身でかけすぎるのも良くない。あくまで万全の状態で、5月の大一番に臨むためいかにチーム力を高めていけるのか。そこにフォーカスすることが、何よりも大事になってくる。

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