河村勇輝

富樫勇樹を振り切った3ポイントシュートを機に爆発

Bリーグデビュー戦で8得点3アシストと堂々のパフォーマンスを見せた河村勇輝が、プロ2試合目でさらなる活躍を見せた。

三遠ネオフェニックスvs千葉ジェッツの第2戦、正ポイントカードの鈴木達也が欠場したために寺園脩斗が先発となり、河村と交互に出場することに。第1クォーター途中で投入された河村は、マークにつく富樫勇樹がスクリーンに対してアンダーで守ってフリーになったのを見逃さず、前日には4本打ってすべて落とした3ポイントシュートを決める。続いては激しく追い掛けた富樫のファウルを誘い、3本のフリースローをすべて決めた。

高い位置でダブルチームを仕掛けられても、前日に「スピードでは通用したと思います」と語ったクイックな動きでプレッシャーをかわしてボールを回す。ただ、立ち上がりからの重い展開を河村が速いテンポに変えた結果、千葉の持ち味であるトランジションバスケットが炸裂することになった。

それでも河村は、オフェンスリバウンドに飛び込んでそのまま押し込むタップシュート、スピードで縦に切り裂いてのヴィアチェスラフ・クラフツォフへのイージーシュートのアシスト、前からのプレッシャーディフェンスが自慢の藤永佳昭を振り切っての3ポイントシュートと、堂々としたプレーを披露する。

極め付けは第3クォーター残り2分半、左ウイングの位置から富樫に1on1を仕掛けて一瞬のスピードで振り切ったアタック。遅れた富樫の接触を受けながら、ゴール下で待ち構える田口成浩をダブルクラッチをかわしてシュートをねじ込み、バスケット・カウントを獲得。力強いガッツポーズが飛び出す会心のプレーだった。また第4クォーター途中には速攻から自ら切り込むと見せかけて、身体の後ろを通してロバート・ドジャーにパス。鮮やかなダンクを演出して見せた。

河村勇輝

スコアラーとして活躍も、司令塔としては課題

もっとも、最終スコアは65-91。前半で28-48と大差が付き、後半もリードを保った千葉の完勝に終わっている。河村がアグレッシブなプレーでスタンドを沸かせるものの、まだ連携が構築されていないルーキーがオフェンスをリードすることでパスのタイミングが合わず、イージーなミスが重なった。結局、河村は6ターンオーバーを記録している。

3ポイントシュート3本成功を含む21得点、2リバウンド2アシストが河村の数字。それでも彼がコートに立っていた間の得失点差は-23で、スコアラーとしては持ち味を出したが、ポイントガードとしては課題が多く出た試合になった。

千葉としては河村のスピードに振り回されながらも、藤永がフェイスガードでプレッシャーを掛けることでミスを誘発。チームとしてフィールドゴール58本中29本成功(50%)と効率良くチャンスを作っては得点を重ね、さらに出場10選手全員が6得点以上を記録し、チームとしてのバランスの良さで三遠を寄せ付けなかった。

千葉はこれで7連勝。開幕から2勝5敗とスタートでつまずいたものの、その後は20勝5敗と快調に勝ち星を重ねて東地区上位に食い込みつつある。

一方の三遠は8連敗。それでも鈴木達也をアクシデントで欠いたことで河村の存在はさらに重要なものになっている。また今日の豊橋市総合体育館に今シーズン最多の3846人が集まったのは紛れもなく『河村効果』で、B1最下位に沈むチームに刺激を与える存在にはなっている。ここから環境に慣れ、チームメートと連携を高めることでどこまでやれるのか、期待は高まるばかりだ。