宇都直輝

ライオンズの得点力を埋める22得点の躍動

富山グラウジーズは昨日のアルバルク東京との初戦を71-82で落とした。

2桁の差がついたが、スコア以上に競った試合だった。宇都直輝も「11点差ついてはいるんですけど、必ずしも相手のやりたいことを好き放題やられた試合ではなかった」と言う。

ビハインドを背負った富山は第2クォーターに1点差まで詰め寄ったが、1試合平均20得点を超えるレオ・ライオンズがこのクォーターの中盤に足を負傷するアクシデントに見舞われた。富山の指揮官ドナルド・ベックが「リーグでもトップ3に入る選手」と称するライオンズが負傷退場したことは、大幅な戦力ダウンとなる。それでも、宇都や新加入のアイザック・バッツを中心に反撃し、最大17点まで膨らんだビハインドを最終クォーターには5点差まで縮めた。

特に宇都は果敢にリングにアタックし、キレのあるターンからゴールをねじ込むなど、チームハイの22得点を挙げてチームを牽引した。今回の試合は左肩鎖関節亜脱臼のケガから復帰して3試合目。前の2試合ではプレータイムが抑えられ、シュートアテンプトも少なかっただけに完全復帰と感じさせる出来だった。

それでも「いやあ、まだ全然ですね。今日はそれなりにできたんですけど、もうちょいできたなって自分では思っています」と、宇都にとってはまだ本調子ではないという。また、「今回はアタックして点数を取ることが重要だったので、そこをやった感じ」と、ライオンズの得点力を埋めようとした結果が22得点という数字に表れた。

22得点に加え、3オフェンスリバウンド3アシストとマルチに活躍したにもかかわらず、まだパフォーマンス面で伸びしろがあるというのはなんとも頼もしい。

宇都直輝

「僕はやれることがたくさんある」

宇都は「相手が自分たちのプレーをしてくる中で、僕たちは外のシュートを決めきれなった。そこが今日の敗因だと思います」と、試合を振り返った。

A東京は確実にズレを作り出し、23本中11本(47.8%)の3ポイントシュートを沈めた。一方で富山はなかなかフリーを作れず、3ポイントシュートは17本中4本の成功(23.5%)に留まった。

特に、今シーズンから頭角を現し先発へと定着した前田悟は徹底マークに遭い、フィールドゴール9本中わずか1本の成功に封じられた。宇都はプロ2年目の前田に対し「厳しいとは思いますけど」と前置きをしつつ、「悟が守られているのが2試合続いていて、点数が取れていないところも停滞する原因」と言及した。

もちろん、厳しい言葉は期待の裏返しだ。ここまで前田は宇都に次ぐ平均11得点を挙げていて、チームに欠かせない戦力となっている。そして復帰明けでベンチスタートの宇都は「僕がセカンドで出て、ちょうど良く悟と僕で分かれているので、ファーストチームで悟が取るのが今のところベスト」と、前田の力が必要という。

この後の第2戦、ライオンズが出場できるかどうかは分からないが、強豪のA東京を倒すには他の選手のステップアップとともに、「チームに足りない部分を僕が補っていきたい」と話す宇都のオールラウンドな活躍が必要不可欠となる。

「もちろん得点が足りなければ得点ですし、周りが点を取れているならアシストもします。リバウンドが負けていれば絡みにいきますし、チームの貢献の仕方はいろいろあります。もしかしたらレオが抜けるかもしれないですし、僕はやれることがたくさんあるのでそこを補えればいい」