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『生涯ウォリアーズ』のキャリアを見据えた交渉

今夏ウォリアーズと2億ドル(約228億円)超の『スーパーマックス契約』を結んだステフィン・カリー。新たな契約年数は5年で、契約を満了する2022年に34歳の彼がコンディションを保っていれば、再び高額契約を結ぶ可能性もある。

カリーとウォリアーズの信頼関係は強く、今回の契約が結ばれるまでは順風満帆だったのだが、それでも交渉の過程では争点も存在した。『The Athletic Bay Area』は、ウォリアーズが呑まなかったカリー側の要求が2つあったことを明かしている。トレード拒否条項と、契約5年目をプレーヤーオプションとすることだ。

ただ、この2つが拒否されても遺恨は残らず、両者は新契約に合意した。

たとえキャリアを左右する大ケガを負ったとしても、今後ウォリアーズが『球団の顔』であるカリーをトレードする可能性は低い。しかし、カリーからすればウォリアーズ一筋のキャリアを送るためのイニシアチブを得たかったのだろう。5年目の契約がプレーヤーオプションであれば、これを破棄して2021年の夏にフリーエージェントとなり、再びウォリアーズとマックス契約を結ぶこともできる。ただ、契約最終年の主導権を球団が握りたいというウォリアーズの意向も理解できる。

おそらく、両者はそのような話し合いを行い、互いに納得した上で合意に至ったのだろう。

ただ、NBAの時間の流れは速い。1年後の情勢が読めないリーグだけに、5年後の状況を予測することは不可能だ。だからこそ、互いの立場を尊重した上で折り合いを付けた。カリーの新契約は、球団とフィフティ・フィフティの関係にあることが見て取れる、ベストなケースと言える。2億ドル超という破格の金額提示は、球団がカリーの選手としての価値、能力を最大限に評価した証なのだ。