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『パープル&ゴールド』のリーダーに

レイカーズの『ゴールデンルーキー』ことロンゾ・ボールは、6歳の頃から父親のラバー・ボールによる英才教育を受けてきた。そして、幼い頃からの好きな選手に挙げているレブロン・ジェームズを見て、リーダーに必要なものを培ってきた。

81-96と完敗を喫した10月29日のジャズ戦の試合後、ロンゾは「敗戦の責任は自分が引き受ける」と語った。いくらレイカーズが若いチームだとはいえ、ルーキーが敗戦の責任を引き受けるというのは分不相応に聞こえるかもしれない。だが、この姿勢こそがキャブズやヒートでレブロンがとってきた行動であり、父ラバーが『リーダーの必要な要素』として教えてきたことだ。

ヘッドコーチのルーク・ウォルトンも「素晴らしい姿勢だ」と称える。「これがリーダーの行動だ。リーダーとは責任を背負うからリーダーなんだ。ただし、今日チームが負けたのは彼の責任ではない。彼は、多くのことを非常に高いレベルでこなしてくれた」

『ゴールデンルーキー』の1年目は浮き沈みが激しい。11月2日のトレイルブレイザーズ戦では、キャリア初の無得点に終わったが、ここまで10試合に出場して平均8.8得点、6.4リバウンド、6.9アシストというスタッツは及第点以上。それよりも、リーダーとして、またポイントガードとして、ここまで5勝5敗とレイカーズを勝率5割に導いている点が素晴らしい。レイカーズは昨シーズンの勝率が31.7%、その前が20.7%と、まさに『どん底』にあったのだ。若いチームだけに相手の研究が進んでおらず、対策を打たれる今後はまた違った難しさが出てくるだろうが、それでもシーズン立ち上がりは上々と言える。

ウォルトンが高く評価しているボールの資質には、その性格も含まれている。「ロンゾは正直な男。自分が正しいと思ったことを言う。一般論を言うのではなく、自分が思ったことを率直に語るんだ」とウォルトンは言う。

20歳になったばかりだが、リーダーとしての資質についてはチームメートも評価している。ジョーダン・クラークソンは「どんな選手も『負けた原因が自分』とはなかなか言えない。リーダーとしての役割を引き受けようとしている」と話した。

現在のメンバーの中で最年少ながら、その立ち居振舞いからは落ち着き以上のもの、すなわちカリスマ性が感じられる。『パープル&ゴールド』のリーダーとして相応しい存在になるためにも、ロンゾは今後もコート内外で学び、表現し続ける。