称賛も批判もシャットアウトしてバスケに集中
今シーズン開幕から絶好調ヤニス・アデトクンボは、ここまで9試合に出場し平均31.0得点、9.9リバウンド、5.0アシスト、フィールドゴール成功率は58.3%と非常に高い数字をキープしている。ファンやメディアの間では、早くも今シーズンのMVP候補に推す声も挙がっている。また、先日は所属するバックスのヘッドコーチ、ジェイソン・キッドが、アデトクンボをマジック・ジョンソン、ケビン・ガーネットというレジェンドたちと比較したことで、ますます注目を集めるようになった。
彼の周囲はこれからますます騒がしくなるだろう。ただ、今のアデトクンボは他の何よりもバスケットボールに集中できる環境を求めている。そのためにスマホからSNSのアプリを削除したことを明かしている。
「実はアプリを消したんだ。ガールフレンドや家族、兄弟、それに近しい人たちからも、削除したほうがいいとアドバイスしてもらったんだ。スマホに夢中になってしまうと、我を忘れてしまうからね」
それだけではない。テレビや新聞など、すべてのメディアと距離を置いている。「テレビも見ないようにしているんだ。特に、自分のことを伝えている番組はね。家族とだけ時間を過ごすようにしている」
キッドの称賛ならまだしも、インターネット上には無責任は誹謗中傷もたくさんある。これも今の時代ならではの宿命なのだろうが、それらを根本から断つことでバスケに集中するというアデトクンボの考えは合理的だ。
どれだけ精神力が強くても、人間なら見聞きしたものは頭の片隅に残ってしまう。長いシーズンの半分は遠征で各地を転戦するNBA選手にとって、気分を切り替えるための娯楽は必要だろうが、それがSNSである必要もない。NBAのトップスター選手の仲間入りが現実になろうとしている大事な時期と分かっているからこそ、アデトクンボはアプリを削除したのだろう。
雑音をシャットアウトして自分のやるべきことに集中するアデトクンボは、今後も度肝を抜くパフォーマンスを披露してくれるはずだ。