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スモール化が進む今もジョーダンの影響力は大きい

今夏、クリッパーズはクリス・ポールをロケッツにトレードする形で昨シーズンまでのチームを解体することを決断した。結果的に司令塔のポールを放出したわけだが、ロケッツとのトレードの主導権を握っていたのは選手であるポールの方で、もしクリッパーズがトレードを成立させなければ、フリーエージェントになってロケッツと契約する意思があると球団に伝えたと言われている。

それと並行して、クリッパーズが主体となってロケッツと別のトレードについて交渉していた、という噂が浮上している。『ESPN』によれば、その時の交換要員はポールでもブレイク・グリフィンでもなく、センターのディアンドレ・ジョーダンだったそうだ。

『ESPN』によれば、クリッパーズは昨シーズンのトレード期限日までにロケッツと定期的に連絡を取り合っていた。そして、ジョーダンと交換でクリント・カペラを含む複数の選手、ドラフト指名権を獲得するという条件を提示していたのだとか。結局、交渉は詰めの段階に入る前に打ち切られ、オフにポールの意思を尊重する代わりに、パトリック・ベバリーら7選手とのトレードが成立することになった。

3ポイントシュート全盛の時代において、リバウンドとダンク中心のクラシックなビッグマンが試合に与える影響については様々な議論がある。だが、ジョーダンに関して言えば、クリッパーズの勝敗に大きな影響を与えている。

論より証拠となるのは、対象選手が出場していた時間帯と、ベンチに下がっていた時間帯での得失点差を表すプラスマイナスの数値だ。昨シーズン、ジョーダンが出場した時間帯では『+9.1』、ベンチに下がっていた時間帯では『-5.2』を記録している。

ロケッツに移籍したポールは開幕直後にヒザを痛めて離脱し、ジェームズ・ハーデンとのケミストリーも構築できていない。クリッパーズは、グリフィンを中心にまとまり始め、ジョーダン、ベバリー、ダニーロ・ガリナーリらがベテランらしいプレーで存在感を発揮している。

あくまでも結果論だが、クリッパーズ首脳陣は、ジョーダンを放出しなくて良かったと、ホッと胸をなでおろしているのではないだろうか。