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メディカルスタッフへの批判を「不当」と主張

2013年以降、ドラフト1巡目指名を受けてセブンティシクサーズでプレーすることになった選手の大半がケガで1年目を棒に振ってきた。

2013年のドラフト全体6位でホーネッツ(現ペリカンズ)から指名されたナーレンズ・ノエルは、ヒザの負傷により1年目を全休。2014年のドラフト全体3位でシクサーズが指名したジョエル・エンビードは、足の負傷によりデビューまでに2年を要した。さらに2015年のドラフト全体3位で指名されたジャリル・オカフォーは、1年目にデビューこそ果たせたものの、2015-16シーズン後半にヒザを痛め、残り試合を欠場。今では戦力外扱いとなってしまった。2016年のドラフト全体1位指名を受けたベン・シモンズは、トレーニングキャンプ最終日に足を骨折して全休。そして2017年ドラフト全休1位指名を受けたマーケル・フルツも、肩の負傷による戦線離脱が発表されたばかりだ。

再建を目的とするチームからすれば、1巡目指名選手は即戦力としての期待が大きい。それなのにデビューまでに最低1年、あるいは年間を通してプレーできないなど、シクサーズの新人を取り巻く状況は『呪い』と言われても納得できてしまう。

だがヘッドコーチのブレット・ブラウンは「ノエルとエンビードについては、指名する前から彼らの健康状態を把握していた。それ以外の選手に関しては、単に不運なケガをしたということ。これはプロスポーツなんだ」と、主張している。

確かにノエルとエンビードは、ドラフト前の時点でケガを抱えているのを承知での獲得だった。また、ブラウンが主張するように、プロの世界は学生レベルとは異なる。長期の日程、長距離の移動、精神的な重圧などが加味し、ケガをしてしまうリスクは全員に等しくある。それだけにブラウンは、チームのメディカルチームに対する批判を良しとしていない。

また、巷で囁かれる『呪い』や『陰謀説』を一蹴。「陰謀云々という話は完全にアンフェアで、正しい意見ではない」と、語った。

今シーズンは、エンビード、シモンズが揃い、ようやく新チームの概要が見えてきたばかり。試合を重ねるごとに完成度も高まってきているため、西よりも競争力の低い東カンファレンスの8位争いに加わる可能性もある。『呪い』や『陰謀論』を完全に払拭できるのは、やはりコートで結果を残した時になるだろう。