文=鈴木栄一 写真=Getty Images

10日のハワード大との試合でシーズン開幕

11月となり、いよいよアメリカ大学バスケットボールのシーズンも開幕する。日本のファンにとって昨シーズンの全米大学選手権で決勝進出を果たしたゴンザガ大学の八村塁とともに、見逃せないのがジョージ・ワシントン大学4年生の渡邊雄太だ。ジョージ・ワシントン大は現地4日にプレシーズンゲームを行い、10日のハワード大学戦から公式戦をスタートさせる。

渡邊にとってはついに大学ラストシーズン。文字通りチームの中心選手としての役割が期待されている。

1年生:平均22.5分出場、7.4得点(FG38.4%)、3.5リバウンド、0.6アシスト
2年生:平均27.7分出場、8.4得点(FG42.2%)、4.0リバウンド、1.4アシスト
3年生:平均35.1分出場、12.2得点(FG44.4%)、4.8リバウンド、2.5アシスト

昨シーズンは特に飛躍の1年となった。プレータイム35.1分とほとんどの時間でコートに立つ彼が、攻守においてチームの要と期待されるのも当然だ。そして彼に対する評価は、カンファレンス内においても高い。

アメリカ大学バスケ界では、開幕前に各カンファレンスでプレシーズンランキングとして関係者による投票の結果を発表している。ジョージ・ワシントン大学の所属するアトランティック10カンファレンスでは各チームのコーチ、選抜されたメディア関係者による投票によってプレシーズンランキングを作成。ジョージワシントン大学は、全14チームのうち11位と低い順位となっている。

しかし、渡邊が日本でいうベスト5となるオールカンファレンスのセカンドチーム。また、守備に絞ったオールディフェンスチームにも選出されており、名実ともにカンファレンスを代表する選手の一人と評価されているのも事実だ。

アトランティック10カンファレンスのトッププレーヤーがどのレベルにあるのか。一つの尺度として琉球ゴールデンキングスのハッサン・マーティンは、昨シーズンまで同カンファレンスのロードアイランド大学に所属していた。過去2シーズン連続でカンファレンスの最優秀守備選手賞を受賞している。

“This year I want to be the best two-way player in the A-10.”
@wacchi1013 #RaiseHigh pic.twitter.com/LODXreOG8Z

— GW Men's Basketball (@GW_MBB) 2017年10月20日

渡邊の持ち味としてまず評価されているのは206cmのサイズがありながら、フットワークに鋭い読みを生かし相手の1番から3番までを守ることができるディフェンス能力となる。しかし、さらなるレベルアップには、外角シュートの向上が大きな鍵となってくる。昨シーズン、3ポイントシュートは1試合平均3.1本を放っての成功率31%、ここは改善しておきたい。

本人も、大学の作成した映像で今シーズンにかける意気込みをこう語っている。「今年はカンファレンスでNo.1のツーウェイプレイヤーになりたい」と述べているように、攻守の両面でより大きなインパクトを与えられる選手になることを目指している。

日本バスケットボール界の次代を担う大器が、過去3シーズン逃してきたNCAAトーナメントにチームを導くなど充実の大学ラストシーズンを送ってくれることを楽しみにしたい。