いつもは辛辣なニューヨーカーもニリキナに熱狂
フランク・ニリキナはフランス出身、今年のNBAドラフトで全体8位指名を受けたポイントガード。ケガによりサマーリーグ、プレシーズンには出場せず、敵地でサンダーと当たった開幕戦で8分プレーした後はピストンズ戦、セルティックス戦を欠場していた。
そのニリキナが10月27日のネッツ戦で、本拠地マディソン・スクエア・ガーデンでのデビューを飾った。ポイントガードながらセンター並のウィングスパン(213cm)を持つニリキナは随所で高いパスセンスを披露し、9得点5アシストの活躍でニックスの今シーズン初勝利に貢献した。
ネッツ戦後、エースのクリスタプス・ポルジンギスは「無理せずプレーできていた。ペースも良いし、チームをコントロールできていて、19歳でこれだけやれているのはすごい。トリプル・ダブルを狙える選手になれる」とコメント。ポルジンギスの言うとおり、19歳とは思えないほどの成熟さがプレーからは感じられた。
French dime. pic.twitter.com/FruDYe4aTr
— NEW YORK KNICKS (@nyknicks) October 28, 2017
ドラフト全体8位で指名されながら、前球団社長フィル・ジャクソンの『最後の置き土産』という印象、そしてサマーリーグを欠場した影響により、NBAで通用するかどうかに疑問符を付けられていたニリキナ。巷では、サマーリーグで結果を残した全体9位指名ルーキーのデニス・スミスJr.の方を高く評価する意見もあった。それでも本拠地デビュー戦で辛辣なニックスファン、ニューヨークのメディアをうならせるパフォーマンスを披露した。
ヘッドコーチのジェフ・ホーナセックは「我々は、チーム内で育てるつもりで彼を獲得した。どんなプレーでも、一度教えればすぐに覚えてしまう」と、その成長に期待を寄せる。
ニックスでは失敗続きで評価を落としたフィル・ジャクソンだが、ポルジンギスの指名を決断したことも含め、選手の能力を見る目には長けている。ニリキナはこれからの選手で、浮き沈みも経験するだろうが、今のニックスに必要なのは、数年後ポルジンギスとともにチームを支えられる有望株だ。
まだ本拠地で1試合プレーしただけだが、ニリキナは可能性を感じさせた。29日にはキャバリアーズと敵地で対戦するため、急造ポイントガードして起用されているレブロン・ジェームズとマッチアップする機会もあるかもしれない。
これからニリキナが各試合で爪痕を残せるかどうか、また楽しみな存在が出てきた。