18得点10リバウンドのダブル・ダブル
皇后杯ファイナルラウンド、トヨタ自動車アンテロープスはトヨタ紡織サンシャインラビッツを87-69で下し、ベスト4進出を決めた。
トヨタ紡織の若きスコアラー、東藤なな子のドライブを止められず序盤にリードを許したが、インサイドで優位に立つトヨタ自動車が着実に加点し逆転。その後、チームハイの18得点を挙げた馬瓜エブリンを軸に、7人が7得点以上を挙げるバランスの良いオフェンスと、フィジカル色の強いディフェンスで押しきった。
エブリンは18得点10リバウンド4アシストのダブル・ダブルを達成し、勝利に大きく貢献した。それでも自身の出来については「ミスがあったり、3ポイントを打たせてしまった場面もあったので、そういうところを突き詰めないといけない」と反省の言葉が口を突いた。
終盤に点差が離れたが、どちらかと言えばトヨタ紡織の粘りが目立つ内容だっただけに、好パフォーマンスだったエブリンからネガティブな言葉が多く出たのも理解はできる。
リーグ戦の戦績は同じ11勝3敗で、直接対決でも1勝1敗。だが、初戦は1点差で勝利したものの、2戦目は24点差の大敗を喫していた。エブリンも「今年はすごい鍛えてきたなという印象があります。一度負けてますし、小さいですけどすごい走るので、センターが抜かれてしまいました」と、トヨタ紡織の強さを認めている。
だが、苦戦しながらも勝ち切ったことで、チームは次のステージへと進むことができた。エブリンも「相手に合わせてはいけないと思います。もっとできると思っているので、明日、明後日、次にフォーカスしたいです」と、すでに明日以降の戦いを見据えている。
自信をのぞかせるフィジカルコンタクト
ベスト4で対戦するのは、アイシン・エィ・ダブリュウィングスを75-41で下し、圧倒的な強さを見せたJX-ENEOSサンフラワーズだ。
渡嘉敷来夢がインサイドで絶対的な強さを見せ、宮澤夕貴を筆頭にシューターの層も厚い。皇后杯6連覇中の『女王』は難攻不落にも思えるが、エブリンは勝利のポイントをこのように語る。
「インサイドを使ってくると思うのでコンタクトを嫌がらずにする。むしろ、自分たちからコンタクトをしにいって、外からのシュートも高確率で決めていくことがポイントかなと」
トヨタ自動車はアウトサイドシュートの確率が最後まで上がらず、苦戦を強いられた。それでも勝ち切れた要因の一つは強度の高いディフェンスにある。球際の争いに勝利し、肉弾戦に持ち込むことで2選手を5ファウルに追いやった。
「みんながそこを嫌がらずにやった結果、相手がファウルトラブルになりました。明日も嫌がらずにコンタクトをしたい」
フィジカル勝負に持ち込み、アウトサイドシュートの精度を今日以上に高めることができれば、JX-ENEOSの進撃を止められるかもしれない。それを実現するにはエブリンのオールラウンドな活躍が必要不可欠だ。